猫と獅子 ページ14
.
『はい、カフェオレ』
「おー…?え、何これ?」
『細やかですがノート運んでもらったお礼。夜っくんこれいつも飲んでるから好きなのかなって』
「そりゃあ好きだけど…別に好きでしたことだから礼なんてよかったのに」
『またそんなこと言う…受け取らなきゃダメです』
「…じゃあ、お言葉に甘えて」
購買横の自販機の前、私は買ったカフェオレを夜っくんに渡す。
夜っくんは頑固なところがあって度々言い争いに発展するから、こういう時は無理矢理押し付けるが勝ちだ。
『私もなんか飲もうっと。んー…決めた!い、』
「いちごオレだろ」
『えっ、凄い!何で分かったの?…ってあぁ、勝手にボタン押されちゃった…』
「(人1)もほぼ毎日これ飲んでんじゃん。これとチロルチョコの抹茶の組み合わせで」
『さすが夜っくん、私より私を知り尽くしてる…』
「だろ〜?」
ニッと笑う夜っくんの笑顔は今日も眩しくて太陽みたい。
ふふ、と笑っていちごオレのパックにストローをさした時、視界にモヒカンが映った。
『あ、山本くん』
「はひっ!?や、や…やっ、や柳井先輩…っ!」
『予選の時、あかねちゃんの応援あってすごく嬉しかった。また直接会えたらお礼言うけど、山本くんからもよろしく伝えておいてもらえるかな』
「もっ!もっ、もちろんっす!!あの!ぜ、ぜぜ全国おめでとうご、ごござ、います!」
『うん、ありがとう…夜っくん、山本くんの頭からなんか湯気?出てるけど大丈夫かな』
「放っておけ。女子前にした時いつもこうだから大丈夫」
周りの男子達が「女バレの先輩じゃん!山本いいな〜」って言ってたけど、山本くんには聞こえてない。
山本くん、前に研磨と言い争いしてたの見たことあるけどこんな一面もあるんだ…と思ってたら、
私の後ろから「夜久さんじゃないですか!」と声が聞こえた。
振り向くと…首が痛くなるくらい身長の大きい男の子が立っていて、私はパチパチと無言で瞬きするしかなかった。
「リエーフじゃん」
「うす!リエーフです!」
「お前も購買か?いつも食堂で飯食ってなかった?」
「前の授業体育だったんですけど、お腹減っちゃってパン買いに来たんです!」
どこかで聞いたことのある名前だ、と思いながら、
『りえーふ…』と呟くと、ぐりん、と大きな瞳がこっちを向いて私を捉えた。
…あ、思い出した。
『レシーブ下手くそすぎていつも夜っくんを怒らせてる子だ!』
1018人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨音 淡桜 - 17ページ冒頭、読んだ瞬間むせかえって窒息しかけました(笑死) (3月25日 16時) (レス) @page17 id: e6a1afaa78 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます!あのシーン夜久さん好きには堪らないですよね…いっぱい夜久さんを映してくれて良かった…(^^) これからもカッコ可愛いうちの小説の夜久さんをよろしくお願いします! (3月9日 23時) (レス) id: bc0669ada1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - kis09170810さん» コメントありがとうございます!映画やばかったですよね…私はいまだに泣いてしまいます…この先もしばらくもどかしい展開が続きますのでハラハラしながらお読みください…(^^) (3月9日 23時) (レス) id: bc0669ada1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 風佳さん» コメントありがとうございます!そういっていただけるとめちゃくちゃ嬉しいです(^^) ちょっと本能出てしまう夜久さんマジ性癖です…笑 (3月9日 23時) (レス) id: bc0669ada1 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 私も映画で、「もっと〜?」ところがすごく好きです!というか映るたびに声が聞こえるたびにニヤニヤしてます笑 夜久さんのかっこよさと可愛さに悶えながら読ませていただいてます。続き楽しみにしてます! (3月9日 1時) (レス) @page48 id: fcb07708b9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はるか | 作成日時:2024年2月26日 21時