身長差、0センチ《2》【夜久衛輔】

猫は恋多き生物である ページ11

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夜久side





『はい、どうぞ〜』

「さんきゅ。おぉ…！メダルって思ってたより重いんだな〜」

『私もそれ思った。ふふ、夜っくんメダル超似合うね』

「そ、そうか…？」

『うん、オリンピックでメダルとったみたい。黒尾と海くんは微妙に似合わなかったからな〜』

「さりげなくディスられる俺達」

「まあ、夜久は絶対似合うよね」





音駒女子バレー部がIH出場を決めた翌日。

この日は月曜日だったから普通に学校で、(人1)はまだ痛みが微かに残る足を動かして教室にやってきた。



『なんか全国出場決まったから全校集会やるらしくて、メダル持ってこいって言われた。みんな首にかけてみる？』


と、たまたま朝練がなくて5組で一緒に喋っていた海も含めてメダルを次々と首にかけさせられたところで冒頭に戻る。


昨日は足を休ませるのを怠ったのがバレて、あの後俺も女バレの監督に怒られ強制的に帰されたから、メダルに触れるのは今日が初めてだった。




「なんか壊しそうで怖いから返すわ」

『ありがと。私も壊しそうだから持ってくるの本当は嫌だったんだけどね…』




苦笑いしながらメダルをケースに入れ、鞄にしまう(人1)。

ちょっと疲れは目に見えるけど、いつも通り。



…なんだけど。





「あっ、柳井！昨日試合観た！全国とかやばいな！」

『ありがとう！』

「てか昨日凄かったじゃん。俺、柳井って主将だけど背低いからスタメンじゃないのかと思ってたわ」

「俺も俺も。めっちゃ飛んでたな！カッコよかった」

『ふふ、それよく言われるんだけど、私、エースなんだよ』

「すげー…！なんか昨日の試合観てからバレーに興味湧いてきた。練習とか観に行っていいやつ？」

『いいけど、私達より男子のほうが迫力あって凄いよ。観に行くなら男子がオススメ』






「なんかめっちゃ男子にモテてない？夜っくんの(人1)チャン」

「……」

「黒尾、夜久の顔凄いよ」

「もう揶揄っても聞こえてないもんな〜」





男子の輪の中心にいる(人1)。


昨日の試合を見た奴らが(人1)を持てはやしていて。





「柳井ってなんか…可愛いよな」

「分かる。試合の時とのギャップとかいいよな」






「あーあ、活躍したせいで周りの野郎共が(人1)の魅力に気づき始めちゃった。夜久、大ピンチじゃん」

「…ムカつく」





黒尾の煽りに、(人1)のことを知っているのは俺だけでいいのにって、


どこまでも女々しく思ってしまった。

可愛い子にはガーディアンを・2→←交わる先の適温

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