まるで、ヒーローのような。 ページ10
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昔から、暗くて狭い場所が苦手だった。
閉所恐怖症と暗所恐怖症。
それは、10年以上経った今でももちろん健在だ。
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『いたい、っ』
『りんたろーと遊びたいのに、お前がいつも一緒にいるから遊べない！！』
小学生の頃、私は男の子達にいじめられていた。
理由は単純。私が倫太郎を独り占めしていたから。
まあ独り占めしていたっていうか、私がいつも倫太郎の手を引っ張って、ほぼ2人で遊んでたから。
あ、それを独り占めっていうのか。
でも、野球とか、サッカーとか、ドッヂボールとか。
きっときっと、倫太郎はやりたかったと思う。
同年代の男の子達と遊びたかったと思う。
それでもあの時倫太郎は、
『別に気にしてないよ、ていうか嫌だったら(人1)の手とか振り払ってるし』
そうぶっきらぼうに言ったのだった。
それでも男の子達は納得しなくて、
私は知らない、真っ暗な所に閉じ込められた。
暗くて狭い、誰も来ない。
次第にそれは、不安となり私の身体に襲い掛かった。
『(どうしよ、ママ、パパ、…りんたろ、)』
死ぬんじゃないか、もう会えないんじゃないかって。
私はポロポロと涙をこぼした。
結局私がそこにいた時間は1時間ほど。
倫太郎が私を探して、駆けつけてくれた。
『大丈夫だよ、もう怖くない…俺、ここにいるし』
倫太郎は泣きじゃくる私を、私よりは大きく、
でも小さな身体で抱きしめた。
それから倫太郎が男の子達に何を言ったのか分からないけど、すっかりいじめはなくなった。
…でも、私には、恐怖が残ったのだ。
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「どうしよ、まず、明かりを、」
座っているだけなのに、恐怖で呼吸が荒くなる。
私は手探りで、部室の壁にかかっている懐中電灯を探す。
「あ…」
しかし、ガクリと膝から崩れ落ちる。
膝が笑って、もう立てない。
「っ…」
とうとう、声も出なくなる。
言葉を発しようとしても、意味のない音が出るだけ。
助けも呼べない。
次第に呼吸のリズムも乱れて、過呼吸ぎみになる。
本格的にまずい。
真っ暗な部屋。
動かない足。
助けを呼べない声。
ぎゅっと、目を閉じる。
「(…助けて、倫太郎、)」
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「…全く、手のかかる幼なじみだこと」
ガチャリ。
ドアが開いて聞こえたのは、心から願った人の声。
あぁ、まるで、ヒーローみたいだ。
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あやね - 「離れ離れの1年ちょっと。」のところの角名君の出身地は、愛知県です！！ (2022年11月2日 18時) (
レス) @page4 id: 04b5e98dd0 (このIDを非表示/違反報告)
すなりんん - 涙が勝手に溢れてきましたごめんなさい「？」 (2020年4月22日 1時) (レス) id: 22d4d41058 (このIDを非表示/違反報告)
紺(プロフ) - え、好きです (2020年3月24日 10時) (レス) id: c01d9ddcd5 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 再び失礼いたします。完結おめでとうございます！！！！角名はやっぱ色気の塊ですね！えっrrr((素敵な推しをありがとうございました！治も楽しみにしております。がんばってください！！ (2020年3月22日 23時) (レス) id: a9c340b6bb (このIDを非表示/違反報告)
亀さん - 完結おめでとうございます!!!やっっっっと結婚しましたね!!!←角名くんすきぃ……次回作も読みます!!!佐久早好きなの分かりすぎて泣…………サム楽しみにしてます!!! (2020年3月22日 22時) (レス) id: 1af3b4280f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるか
| 作成日時：2020年3月8日 1時
