熱さは、何のせい? ページ32
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「り、んたろ…?」
「ん?」
「あの、手、アイス、食べれない…」
「…だめ。まずこっち」
手首に垂れたアイス。
倫太郎は、そこに顔を近づけて、
「ちょ、何してっ!」
「あ?舐めてるけど?」
「っ、」
「早く食べなよ」
アイスを咄嗟に反対の手に持ち替え、口に含む。
どろどろ、もう半分以上は溶けていた。
「っ、りん、もういいから、」
「はいはい。顔真っ赤だよお前」
「だって倫太郎が!あんな、こと…」
「ドキドキしたんだろ」
グッ、と顔を寄せられ距離が縮まる。
思い出す、勉強会の日のこと。
「当たり前だよ…私、こんなこと初めて、だし…」
「これで初めてじゃなかったら凄いよ」
「からかってるの…?」
「んーどうだろうな」
少し溶けたチューペットを噛んで天井を見つめる倫太郎。
「(人1)、胸大きくなったっしょ」
「え"!?」
「バカがそれを見抜いてお前を舐めるように見てんだよね。それがなんか腹立つ」
思い出す、さっきの3人の視線。
あれ、私の胸見てたのか…!
「…倫太郎も見てたじゃん」
「俺も男ですから」
「あのねぇ、」
「これも、」
後頭部に腕が回って、
ハラリ。髪が流れた。
「治に見せつけるようなうなじも、いらない」
「っ、」
「正直今の(人1)は男の興奮材料にしかなってないよ」
すす、と指で鎖骨を触られ、ビクリと身体が跳ねる。
そんな様子を、倫太郎は楽しそうに見つめる。
「これも、少女漫画のドキドキシチュだね」
「倫太郎、何でそんな、余裕なの…」
「お前と一緒にすんなよ。まあ余裕でもないけど」
知ってる?男女が部屋で2人きり。
少女漫画のドキドキ展開の1つじゃん。
倫太郎はそう言って、私を押し倒した。
あの日と全く同じように。
全ては、この読めない幼なじみの思うまま__
ピーーーッ。
「あ、洗濯機…」
「…あーあ。興醒め」
するりと起き上がり私の手を取る。
いつもの、倫太郎の顔だった。
「あと干せるだろ」
「あ、うん…」
「俺もう行くわ」
「あ、りがと…」
ドアが閉まって、思わずその場に座り込む。
心臓がうるさい。
「(なにこの感情…ッ)」
これはまるで、
いや、そんなのあり得ない。
「(からかわれてるだけ、でしょ?)」
__それでも身体は、どこも熱いまま。
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あやね - 「離れ離れの1年ちょっと。」のところの角名君の出身地は、愛知県です!! (2022年11月2日 18時) (レス) @page4 id: 04b5e98dd0 (このIDを非表示/違反報告)
すなりんん - 涙が勝手に溢れてきましたごめんなさい「?」 (2020年4月22日 1時) (レス) id: 22d4d41058 (このIDを非表示/違反報告)
紺(プロフ) - え、好きです (2020年3月24日 10時) (レス) id: c01d9ddcd5 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 再び失礼いたします。完結おめでとうございます!!!!角名はやっぱ色気の塊ですね!えっrrr((素敵な推しをありがとうございました!治も楽しみにしております。がんばってください!! (2020年3月22日 23時) (レス) id: a9c340b6bb (このIDを非表示/違反報告)
亀さん - 完結おめでとうございます!!!やっっっっと結婚しましたね!!!←角名くんすきぃ……次回作も読みます!!!佐久早好きなの分かりすぎて泣…………サム楽しみにしてます!!! (2020年3月22日 22時) (レス) id: 1af3b4280f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はるか | 作成日時:2020年3月8日 1時