シチュエーション。 ページ21
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「ん……ん?」
うっすら、目を開く。
見慣れない天井。そして、腰に感じる微かな重み。
覚醒しきってない頭で考える。
確か勉強してて、倫太郎がゲームするって離脱して、銀島くんと喋ってたら眠たくなって、床かたいからベッド行って…
「…え、」
隣でなぜか倫太郎が寝ている。
起き上がろうにも腰にがっつり腕が回っていて抜けれない。力強っ。
「倫太郎〜寝ちゃってごめん、私起きたよ、」
「ん〜…」
「あ、目開いた。おはよ」
ペチペチと軽く頬を叩けば目を開く倫太郎。
腕が離れてムクリと起き上がる。
「お前ホント何してんの?もう少し危機感もってよ」
「危機感…?」
「はあ?分かんないの?」
「…」
「嘘だろ」
はあ、とため息をついた後、
ふと思い出したように顔を上げて、
私の手首を掴み、ベッドに押し倒した。
視界は、天井と倫太郎のみ。
「な、に、りんたろ、」
「いやコレ最高の少女漫画展開かなって思って」
「聞いてたの、」
「(人1)の声よく通るからね。どう?キュンキュンしてる?」
「してないッ、どいて、ひゃ!?」
するりと、倫太郎の片手が太ももに伸びて思わず変な声が出る。
「どこ触っ、て」
「無防備な足。侑達がモロガン見してたよ」
「知ら、ないっ」
「まあ確かにロマンかもねコレは」
手が止まり、グッと、倫太郎の顔が近づく。
まるで、鼻先が触れ合いそうなほどに。
「りん、」
「…抵抗しないの?」
「ちか、い…」
「ねえ、俺にどうされたい?」
そう余裕そうに笑う倫太郎。
さっきからドキドキと心臓がうるさい。
なにこれ。
こんな倫太郎、見たことない。
「はなし、て」
「うるさい」
「ぁ、」
倫太郎が私の顎をつかみ、薄く口を開く。
とっさに、ぎゅっと目を閉じる。
…いつまで経っても何もない。
薄らと目を開くと、肩を震わせ笑う倫太郎がいた。
「あー面白すぎ」
「ひど!!」
「何、本当に襲われたかった?」
「っ、」
「まあお子様には早かったみたいだね」
よっ、とベッドから起き上がって、
倫太郎はもう一度私を見る。
「でもショーパンもう履くな」
「え?あ、うん…」
「危機感もてよって意味分かった?」
「わかった、」
「ヨシ」
家まで送るから支度して。
何気なくそう言われ、慌てて荷物をまとめたのだった。
「(かお、あつい…)」
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あやね - 「離れ離れの1年ちょっと。」のところの角名君の出身地は、愛知県です!! (2022年11月2日 18時) (レス) @page4 id: 04b5e98dd0 (このIDを非表示/違反報告)
すなりんん - 涙が勝手に溢れてきましたごめんなさい「?」 (2020年4月22日 1時) (レス) id: 22d4d41058 (このIDを非表示/違反報告)
紺(プロフ) - え、好きです (2020年3月24日 10時) (レス) id: c01d9ddcd5 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 再び失礼いたします。完結おめでとうございます!!!!角名はやっぱ色気の塊ですね!えっrrr((素敵な推しをありがとうございました!治も楽しみにしております。がんばってください!! (2020年3月22日 23時) (レス) id: a9c340b6bb (このIDを非表示/違反報告)
亀さん - 完結おめでとうございます!!!やっっっっと結婚しましたね!!!←角名くんすきぃ……次回作も読みます!!!佐久早好きなの分かりすぎて泣…………サム楽しみにしてます!!! (2020年3月22日 22時) (レス) id: 1af3b4280f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はるか | 作成日時:2020年3月8日 1時