好物頂上決戦 【角名 倫太郎】

3年7組での出来事。 ページ16

.






「…呼ばれた理由は分かっとるよな、(人1)」

「分かってますけど…北さん、これは流石に酷いと思うんです私」

「何がや」

「いやこの構図見てくださいよ！160センチもない女子がバレー部3年生に囲まれてるっていう！！

側から見たらカツアゲじゃないですかコレ！結構圧あって怖いんですけど！？」

「まあまあ笑」

「笑ってんの分かってますからね赤木さんッ」






3年7組。

いつもは絶対行かない、先輩のクラスに私は呼び出されていた。


先に言おう。断じていじめられてるわけではない。

あーでもこの構図的にいじめられてるのかもしれない。泣き。







「今更やろ。部活で慣れてんのに」

「慣れてますけど！それとこれとは違いますから！」

「ええから落ち着けって。話ずれとるで」

「バレー部の頭おかしいのか私がおかしいのか分かんなくなってきた…」





はあ、とため息をつく私に、

北さんは数枚の紙をチラつかせる。







「分かっとるよな？期末テスト」

「う、はい…」

「マネージャーが合宿来れんなんてあり得ん話やからな」

「…はい」





北さんがチラつかせた紙。それは、



毎年お盆前に行われる、夏合宿の日程表。



…と、中間テストのときの私の散々なテスト用紙。



うう。ガチで公開処刑じゃん。

でも北さんに見せろって真顔で言われたら仕方ないよね。あれやっぱりいじめられてる？←







「去年は練が(人1)の勉強見てくれとったらしいな」

「あーなんや期末テスト前、毎日小難しそうな顔しとったからな。

せやけど今年はちょっと余裕ないねん、すまんな、(人1)」

「えっ、大耳さんでも余裕が！？」

「3年なったらこんなもんやで、信介以外は」





冷や汗かく、北さん以外の3年生。

でも北さん赤点なイメージなんてひとつもないから納得。




「まあ分かっとると思うけど。

期末テストの結果次第では連れてかんと監督が言うとってん」

「デスヨネー」

「(人1)勉強出来そうな顔しとるのに意外やなー」

「どうせ顔だけです、うぅっ」




泣く真似をした私に、北さんはため息で返す。

え、辛辣…






「角名に頼めや。アイツ2年なかで唯一全教科赤点ナシやで」

「絶対に嫌ですアイツに格下だと思われたくない」

「え、ずっと格下やん？」

「赤木さんマジ黙ってください」








倫太郎に頼むくらいなら銀島くんがいい。

あの人も赤点ギリギリだけどなんとかいけるっしょ。






そう考えた私が1番バカだった。

角名さんにお願いだ。→←どこまでも単純。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す