予想できない近接 ページ44
.
「何？」
「お前目良かったっけ」
「当たり前だろ？リベロなんだから」
「リベ…？よく分かんないけど、目悪いから夜久と席交代したいって」
「おう、俺は全然いいぜ。むしろ1番前嫌だったからさ〜」
委員長と夜っくんの会話をぼんやり聞く。
良かったね夜っくん、と心の中で思ってると、私の後ろの席へ移動した黒尾がニヤニヤと私を見ていた。
『…なに？』
「お前も良かったね、って思って」
『何で？』
「いやいや、俺と(人1)が席交代して、あの子と夜久が席交代するってことは、」
『…あ、』
「はは、マジかよ、また前後だな！」
ガーッと机を動かしてきた夜っくんがニッと笑う。
…そっか、また前後なんだ。
嬉しくて、私は夜っくんを見つめたままコクリと頷いた。
「あーあ、せっかく話し相手見つかったのに…お前ら絶対俺のこと無視して2人で話すじゃん」
『え、そんなこと…』
「そうだな。黒尾、俺(人1)と喋るから会話に入ってくんなよ」
『え、』
「はぁ〜？ムカつくから夜久より先に(人1)と話してやるわ。喋ってる時会話入ってくんなよ」
「させるかよバーカ」
『…私を挟んで言い争わないでもらえないか…？』
隣の席の男子が「柳井、お前モテてんな」って笑いながら言ってきて、
私も笑いながら『不本意ですが…』とよく分からない返事をするしかなかった。
「おうおう宮本クンよ、隣の席だからって許可なく(人1)に話しかけんじゃねーよ」
『夜っくんやめて』
…やっぱり席変わるの、我慢した方が良かったかな。なんてほんの少しだけ後悔した。
.
壮行会が終わって、いよいよ明後日からIH予選が始まる。
私は部活が終わった後の静まり返った体育館で、みっちゃんと2人で並んでコートに立っていた。
「いよいよ明後日からだね」
『うん…あっという間だったな』
「…緊張してる？」
『…めっちゃしてる。負けたら終わりなんだなって思うとやっぱり怖い』
でも。
『1人じゃなくて、みんなと一緒にコートに立って戦えるんだって、ワクワクもしてる。
…このチームで最後の大会に出られて良かった、本当に良かった』
私がそう言うと、みっちゃんは私の頭を撫でて笑った。
「…まずは初日、初戦と2回戦、勝とう」
『うん』
「そんで、その次もずっと勝っていこう」
『…うん！』
どうか、どうかこのチームで全国に行けますように。
私は拳を握りしめて、夜空を見上げた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 924人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はるか(プロフ) - わにゆずさん» 再びコメントありがとうございます！やっぱりそうですよね！目とかにかかるくらい長かったら萌えます、ぐへへ(激キモ) 絶対見逃せないですね！公式情報を待ちましょう…！フヒヒ(激キモ) (2月29日 0時) (
レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
わにゆず(プロフ) - たしかに、大人になった夜久さんってノーセットだと前髪長いかもしれません…！うへへ（キモい）、夜久さん推しとしてはこれは見逃せないです…グヘヘヘ（キモい） (2月27日 18時) (レス) @page49 id: b8157db853 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 佐藤310さん» コメントありがとうございます！まさかの報告嬉しいです笑 日焼けのことですよね！やっぱり真っ黒になりますよね…私自身そうだったのですごく分かります。やっぱり日焼け止めを塗ってもらってるって結論にしようかな…( ・∇・) アンサーありがとうございました！ (2月27日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - ▼げきからたばばさん» コメントありがとうございます！そして一気読みありがとうございます！キュンキュンしていただけて嬉しいです…！これからも頑張るので応援よろしくお願いします！(^^) (2月27日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - むぎちゃさん» コメントありがとうございます！えーん嬉しいです…！夜久さんはイケメンの中のイケメンと思いながら書いてます！気に入ってもらえたなら嬉しいです！これからもぜひよろしくお願いします！(^^) (2月27日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はるか
| 作成日時：2024年2月11日 21時
