自分自身を味方に ページ39
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『…夜っくん、私の話聞いてた?』
「めっちゃ目の前で聞いてたけど?」
『自信満々に言うじゃん。だから、エースなのに全然ダメなんだってば…』
くりくりした瞳が私を捉えて、さも当たり前かのようにそう言うから、私は拍子抜けしてしまった。
涙も引っ込んじゃった。
でも、やっぱり私は分かっていなかったのだ。
「(人1)より身長が高くてセンスのある奴を押し退けてでも(人1)がコートに立てるのは、もちろん(人1)自身の実力も一つ。
俺は女子の試合見たことないけど、(人1)見てたり話聞いたりすると何となく分かるんだよ。サーブとかもそうだけど"自分にないもの"を補おうと必死に努力してきたこと。
…そんで、それを認めるのは自分じゃなくて周りなんだ。"(人1)はエースだ"って、"主将だ"って。"(人1)になら安心して託せる"って。そうやってチームが出来上がってくんだと思う。
だから、(人1)がコートに立つ意味は、みんな(人1)を信じてるから。それだけじゃん」
『…上手くいかなくても?』
「いかなくても。そういう時は、周りがカバーしてくれる。現に今の(人1)をちゃんと気にかけてくれてただろ?」
その言葉にハッとする。
みんなみんな、ちゃんと私を気にかけてくれてた。
"ちょっとだけならやろっか。私も付き合うよ"
"(人1)先輩、大丈夫ですか?"
"分かってます、先輩が抱えてるものの重さ"
…見捨てないでくれてた。
『…うん、』
「だろ?だから、(人1)はもっと周りを見て、信じてくれる仲間が後ろにいるってことを信じろ。
"私なんか"、じゃなくて、"(人1)じゃなきゃダメ"って言ってくれる仲間をな」
夜っくんの言葉に、引っ込んだ涙がまた溢れ出す。
全然周りが見えてなかったなぁっていう自分の愚かさと、
そんな私を見捨てないでくれた周りの人達への優しさに対する嬉しさ。
…もちろんそれは、夜っくんも含めて。
「ち、ちょっと待て、どんだけ泣くんだよ…え、俺、今泣かすようなこと言っちゃった…?」
『…ううん、夜っくんのせいじゃない。あ、でもやっぱり夜っくんのせい…』
「どっちだよ!あぁもう、ゴメンナサイ!昨日のことも含めて色々俺が悪かったです…!」
『昨日の…あ、』
そうだった。
普通に喋ってたけど、私、夜っくんに謝らなきゃいけないんだった。
私は顔を上げて、夜っくんの目を見つめた。
『…夜っくん』
「ハイ…」
『え、と…私の方こそごめんなさい…!』
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はるか(プロフ) - わにゆずさん» 再びコメントありがとうございます!やっぱりそうですよね!目とかにかかるくらい長かったら萌えます、ぐへへ(激キモ) 絶対見逃せないですね!公式情報を待ちましょう…!フヒヒ(激キモ) (2月29日 0時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
わにゆず(プロフ) - たしかに、大人になった夜久さんってノーセットだと前髪長いかもしれません…!うへへ(キモい)、夜久さん推しとしてはこれは見逃せないです…グヘヘヘ(キモい) (2月27日 18時) (レス) @page49 id: b8157db853 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 佐藤310さん» コメントありがとうございます!まさかの報告嬉しいです笑 日焼けのことですよね!やっぱり真っ黒になりますよね…私自身そうだったのですごく分かります。やっぱり日焼け止めを塗ってもらってるって結論にしようかな…( ・∇・) アンサーありがとうございました! (2月27日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - ▼げきからたばばさん» コメントありがとうございます!そして一気読みありがとうございます!キュンキュンしていただけて嬉しいです…!これからも頑張るので応援よろしくお願いします!(^^) (2月27日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - むぎちゃさん» コメントありがとうございます!えーん嬉しいです…!夜久さんはイケメンの中のイケメンと思いながら書いてます!気に入ってもらえたなら嬉しいです!これからもぜひよろしくお願いします!(^^) (2月27日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はるか | 作成日時:2024年2月11日 21時