絶望と細やかな風穴 ページ37
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『…あの子は、もしこんな私を見つけたらどう思うかな。幻滅しちゃうかな…
いやそもそも、見つけれないな』
別にリベロをやりたくなかったわけじゃないけど、
スパイカーに憧れてた私を見出してくれたあの子。
確か、ヘーゼルナッツブラウンのふわふわした髪で、
くりくりした大きな瞳をもってた。
『…まるで夜っくんみたい』
いや、
『…夜っくんだったらいいな』
なんて、きっかけをくれたあの子に失礼だろうか。
…今でもバレーやってるのかな。
キュ、と両足で踏み込んで、高くあがったサーブトスを打ち込む。
そのサーブは、ネットを超えることなく白帯にかかって手前に落ちた。
コロコロと転がるボールをとりに行く気力もなくて、
そのまま、ペタリと床に座り込む。
『〜〜っ、何で！！何で上手くいかないんだよ！！頑張ったら頑張った分だけ報われろよ！！
……全然楽しくない！！こんなの全然！！』
ダンッ、と拳を床に叩きつける。
皮膚に食い込んだ爪がジワリと血を滲ませても気にしないで。
ひたすらに、自分の愚かさと未熟さが嫌で、
何をしたいのかも分からないまま、ただ叫んでいた。
認められない苦しさ。
どうせ無理、って決めつけられたのを、歯食いしばって必死に乗り越えてきた。
…けど、それすらも簡単に乗り越えていく才能やセンスを持っている人達。
そういう人達を見るたびに、不平等だ、と絶望する。
『私は、もっと、もっと頑張らなきゃ…コートに立つ意味がないのに…！！』
何も考えずにまたサーブトスを打つ。
血の滲んだ指が痛くて、ミートした時に手が滑ってしまった。
またアウト方向に曲がる。
そう絶望した時、キュッ！！とシューズが擦れる音がした。
「取った…あぁッ！？」
くんっ、と外側に曲がったボールはその人の腕を弾いて、コートの外に転がっていった。
「うわー、今絶対取れたと思ったのに！つーかサイドライン入ってたじゃん、ナイスサーブ」
『な、んで…』
「今日ずっと(人1)に逃げられたから、遅くなったけど捕まえにきた。あーあ、なんつー顔してんだよ、大丈夫か？」
『…やっ、くん、』
「…とりあえず一旦休憩しろ、ほら」
『…！夜っくん、手…！』
「いいから」
夜っくんは駆け足で私に近づくと、
血で赤くなった私の手を優しく包んでコートの外へ連れて行ってくれた。
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はるか(プロフ) - わにゆずさん» 再びコメントありがとうございます！やっぱりそうですよね！目とかにかかるくらい長かったら萌えます、ぐへへ(激キモ) 絶対見逃せないですね！公式情報を待ちましょう…！フヒヒ(激キモ) (2月29日 0時) (
レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
わにゆず(プロフ) - たしかに、大人になった夜久さんってノーセットだと前髪長いかもしれません…！うへへ（キモい）、夜久さん推しとしてはこれは見逃せないです…グヘヘヘ（キモい） (2月27日 18時) (レス) @page49 id: b8157db853 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 佐藤310さん» コメントありがとうございます！まさかの報告嬉しいです笑 日焼けのことですよね！やっぱり真っ黒になりますよね…私自身そうだったのですごく分かります。やっぱり日焼け止めを塗ってもらってるって結論にしようかな…( ・∇・) アンサーありがとうございました！ (2月27日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - ▼げきからたばばさん» コメントありがとうございます！そして一気読みありがとうございます！キュンキュンしていただけて嬉しいです…！これからも頑張るので応援よろしくお願いします！(^^) (2月27日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - むぎちゃさん» コメントありがとうございます！えーん嬉しいです…！夜久さんはイケメンの中のイケメンと思いながら書いてます！気に入ってもらえたなら嬉しいです！これからもぜひよろしくお願いします！(^^) (2月27日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるか
| 作成日時：2024年2月11日 21時
