暗雲漂う午後 ページ33
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「(人1)。体調どう?」
『かなり休めたから元気。今薬も効いてるから痛みもないです』
「良かった。はい、鞄取ってきたよ」
『ありがとう』
4限中、月一でくるアレの痛みがいつも以上に酷くて。
自分の席の周りは男子ばっかりだし、夜っくんだって…
冷や汗をかきながら何とか4限を乗り越えて、隣のクラスのみっちゃんのところへ駆け込んで保健室に連れて行ってもらった。
そうして放課後まで保健室のベッドで休むと身体は少し楽になった。
…今日、夜っくんは前の席にいるのに話せなかったから気まずくなくてちょうど良かったかも。
そう思うのに、やっぱり気になって。
『みっちゃん、夜っくんとなんか話した?』
「夜久?あ、うん。少しだけ」
『…怒ってた?』
「んな訳!心配してたよ、大丈夫かって。保健室に行こうとしてたから流石に海と止めたけど」
『…あんな事言っちゃったのに。心配される権利、私にはないのに』
止められる夜っくんの姿が目に浮かんで、苦し紛れに笑う。あんな事言われても心配してくれるなんて、夜っくんはやっぱり優しい。
みっちゃんは「またそんな事言ってる…」とため息をついてから鞄を持ち上げた。
「IH予選近いし、体調は万全じゃないしでしばらく自主練なしね。黒尾達には伝えてあるから」
『…ありがと。でもあの、個人的にサーブとレシーブの練習はしたいんですが』
「…ちょっとだけならやろっか。私も付き合うよ」
『…!みっちゃんありがとう!』
私はみっちゃんの言葉に飛び上がって、
慌てて鞄を掴んで保健室を後にした。
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「(人1)先輩、大丈夫ですか?」
『体調のこと?大丈夫だよ。心配してくれてありがとう』
「あんま無理したらダメだよ」
『…はい、気をつけます』
部活に行くと、3年の子や後輩達がワッと駆け寄ってきた。
なんか倒れた、って変な噂が広がってたらしい。何だそれ。
「先輩、体調大丈夫ならまたサーブ打ってください!」
『いいよ、今サーブの調子悪いから練習したいし』
「その前にお前はレシーブ練習だ」
『ゲッ、コーチ…』
「ゲッて言うな」
ほら早くコートに入れ、と手をヒラヒラさせて私を誘導させる。
『(…今更、春高まで残りたいなんて言わない。だからこそ、高校最後は、このチームで全国に行きたい)』
__そう思えば思うほど、
焦りもがき、目の前は暗く暗くなっていき、いつかは。
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はるか(プロフ) - わにゆずさん» 再びコメントありがとうございます!やっぱりそうですよね!目とかにかかるくらい長かったら萌えます、ぐへへ(激キモ) 絶対見逃せないですね!公式情報を待ちましょう…!フヒヒ(激キモ) (2月29日 0時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
わにゆず(プロフ) - たしかに、大人になった夜久さんってノーセットだと前髪長いかもしれません…!うへへ(キモい)、夜久さん推しとしてはこれは見逃せないです…グヘヘヘ(キモい) (2月27日 18時) (レス) @page49 id: b8157db853 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 佐藤310さん» コメントありがとうございます!まさかの報告嬉しいです笑 日焼けのことですよね!やっぱり真っ黒になりますよね…私自身そうだったのですごく分かります。やっぱり日焼け止めを塗ってもらってるって結論にしようかな…( ・∇・) アンサーありがとうございました! (2月27日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - ▼げきからたばばさん» コメントありがとうございます!そして一気読みありがとうございます!キュンキュンしていただけて嬉しいです…!これからも頑張るので応援よろしくお願いします!(^^) (2月27日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - むぎちゃさん» コメントありがとうございます!えーん嬉しいです…!夜久さんはイケメンの中のイケメンと思いながら書いてます!気に入ってもらえたなら嬉しいです!これからもぜひよろしくお願いします!(^^) (2月27日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はるか | 作成日時:2024年2月11日 21時