合わない目線 ページ30
.
「(人1)、今日の朝練珍しく調子良くなかったけど大丈夫？今日は休んだら？」
『大丈夫。いつもより酷いけど、痛み止めは飲んでるから…
もう休んでる時間ないし、練習と調整はしておきたい』
朝練が終わって、部室にみっちゃんと残っていて、
着替えて鍵を閉めようと最後に部室を出た時、女バレの部室の外の壁に夜っくんがもたれかかっていた。
「…おはよ」
『おはよう夜っくん』
「…(人1)、私先行くね」
『あっ、うん』
ていうか私には挨拶なしかよ、って夜っくんに一言残してみっちゃんは行ってしまった。
そんな様子に小さく笑うと、夜っくんはくるりと振り返って私をじっと見つめた。
「…昨日、大丈夫だった？帰りとか」
『あぁ、うん。昨日ごめんね』
「…それは別にいいよ。それより黒尾に聞いた。女バレは春高まで残んないって本当？」
『…そっか、夜っくんには話してなかったね。
本当だよ。私達は、IHが高校生活最後の大会になる』
その言葉に夜っくんは肩を跳ねさせた。
それからフイ、と私から視線を逸らして歩き出す。
「何で言ってくんなかったんだよ」
『え？』
「IHで辞めるって。黒尾も海も知ってるのに俺だけ知らなかった」
『う、ごめんなさい…夜っくんにも言わなきゃってずっと思ってたんだけど、』
「それとさ、(人1)、黒尾に言ったよな。"サーブはIHまでに間に合わない"って」
3年の教室が並ぶ廊下まで歩いてきた。
今日の夜っくんはずっと私の半歩前を歩いて、同じ高さなのに私とは目を合わせてくれない。
「俺はずっと黒尾と同じで、IHが仮にダメでも春高までレシーブ練習頑張んのかな、って思ってた。
…でもIHで辞めんなら、今レシーブ練習したって間に合わねーだろ。予選まであと1週間切ってるし」
パキン、とどこかで何かが割れる音がした。
夜っくんがそんなこと言うはずないって、
信じたいけど、今の私には無理だった。
『…言わなかったのは悪かったと思ってる。でも、何でそんなこと言うの？夜っくんに私達の、私の何が分かるの！？IHで辞めるのがそんなにダメなこと！？
…レシーブも、1球でも多く繋げるために必死にやってる！から、無駄みたいな言い方しないで！』
私は涙を手で隠しながら教室に向かって走る。
行く先は同じだし、席も前後なのに。
『(…もうやだ、消えたい)』
＿＿結局この日、この後夜っくんと私が喋ることはなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 924人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はるか(プロフ) - わにゆずさん» 再びコメントありがとうございます！やっぱりそうですよね！目とかにかかるくらい長かったら萌えます、ぐへへ(激キモ) 絶対見逃せないですね！公式情報を待ちましょう…！フヒヒ(激キモ) (2月29日 0時) (
レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
わにゆず(プロフ) - たしかに、大人になった夜久さんってノーセットだと前髪長いかもしれません…！うへへ（キモい）、夜久さん推しとしてはこれは見逃せないです…グヘヘヘ（キモい） (2月27日 18時) (レス) @page49 id: b8157db853 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 佐藤310さん» コメントありがとうございます！まさかの報告嬉しいです笑 日焼けのことですよね！やっぱり真っ黒になりますよね…私自身そうだったのですごく分かります。やっぱり日焼け止めを塗ってもらってるって結論にしようかな…( ・∇・) アンサーありがとうございました！ (2月27日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - ▼げきからたばばさん» コメントありがとうございます！そして一気読みありがとうございます！キュンキュンしていただけて嬉しいです…！これからも頑張るので応援よろしくお願いします！(^^) (2月27日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - むぎちゃさん» コメントありがとうございます！えーん嬉しいです…！夜久さんはイケメンの中のイケメンと思いながら書いてます！気に入ってもらえたなら嬉しいです！これからもぜひよろしくお願いします！(^^) (2月27日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はるか
| 作成日時：2024年2月11日 21時
