仲が良いからこその無知 ページ29
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夜久side
肌がヒリつくような感覚。
きっとそれは今日も明日もその先も、忘れることはないと思う。
「おいおいマジかよ、どえらい曲がるじゃねーか…しかも思ったより速かったし…」
「アウトじゃなかったら取れなかったんでないの、夜っくん」
「リベロの名にかけてサービスエースはとらせねーよ。なあ(人1)、もう1回、」
アウトだったけど、女子とは思えない凄いサーブを目の当たりにした俺達のテンションは高揚していく。
もう1回、次はアウトとか関係なくとってみたい。
『…ごめん、ちょっと疲れてんのかな。トス上手く上げれなくてミスっちゃった…また今度でいい?』
けど、高揚する俺達とは正反対に、
指先を見つめたまま、静かに喋る(人1)。
「柳井、いつもより汗かいてる気がする。今日はもう終わりにしよう。黒尾、それでいいかな」
「…そうだな。(人1)、悪いな」
『何で黒尾が謝るの…私の方が、ごめん…』
「(人1)こそ謝んなよ。まあ…この時期だし、色々溜め込むもんあるかもだけど、とりあえず今日は帰って何も考えずに休め」
「片付けやっておくよ」
『…ありがとう。海くんも夜っくんも、ごめんね、ありがとう』
(人1)は『ありがとう』と『ごめん』を繰り返して、
俺達3人に深々と頭を下げて、それから振り返ることなく体育館を出て行った。
「…送ってかなくて大丈夫か」
「…多分。でも今、俺達の誰かが(人1)の隣にいたとしても、アイツの力にはなってやれない」
「…でもせめて、話くらい、」
「夜久。(人1)から聞いてねえの」
「何を」
「女バレは春高まで残らないって」
「…は?」
「…その反応は聞いてねえな」
アイツ本当に…と黒尾はため息をつく。
俺は黒尾の言葉を絶対信じたくなくて、爪が食い込むくらい作った拳に力を入れた。
「嘘だろ…?なあ、黒尾も海も知ってたのかよ」
「主将、副主将会議の時に偶然春高の話になって。その時聞いたよ。俺達も驚いたけど、もう決めたんだって」
「お前ら仲良いからもう聞いてんのかと思ってたわ」
「…何だよ、それ」
「…夜久。(人1)にとっちゃ、IHが最後の大会だ。色々背負ってるモンあるだろうし、今は刺激しない方がいい」
ほら夜久、モップかけて、と黒尾は俺にモップを渡す。
俺はそれを受け取っても、しばらくそこから動けないでいた。
…何で。
「(人1)のこと、何も知らねえんだよ、俺…」
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はるか(プロフ) - わにゆずさん» 再びコメントありがとうございます!やっぱりそうですよね!目とかにかかるくらい長かったら萌えます、ぐへへ(激キモ) 絶対見逃せないですね!公式情報を待ちましょう…!フヒヒ(激キモ) (2月29日 0時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
わにゆず(プロフ) - たしかに、大人になった夜久さんってノーセットだと前髪長いかもしれません…!うへへ(キモい)、夜久さん推しとしてはこれは見逃せないです…グヘヘヘ(キモい) (2月27日 18時) (レス) @page49 id: b8157db853 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 佐藤310さん» コメントありがとうございます!まさかの報告嬉しいです笑 日焼けのことですよね!やっぱり真っ黒になりますよね…私自身そうだったのですごく分かります。やっぱり日焼け止めを塗ってもらってるって結論にしようかな…( ・∇・) アンサーありがとうございました! (2月27日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - ▼げきからたばばさん» コメントありがとうございます!そして一気読みありがとうございます!キュンキュンしていただけて嬉しいです…!これからも頑張るので応援よろしくお願いします!(^^) (2月27日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - むぎちゃさん» コメントありがとうございます!えーん嬉しいです…!夜久さんはイケメンの中のイケメンと思いながら書いてます!気に入ってもらえたなら嬉しいです!これからもぜひよろしくお願いします!(^^) (2月27日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はるか | 作成日時:2024年2月11日 21時