気付かぬ贈り物の意味 ページ26
.
『夜っくん、今日ありがとうね。また家まで送ってもらっちゃった』
「いや俺勝手について行っただけだし全然」
外はすっかり夕陽のオレンジ色に染まっている。
ご飯を食べ終えてから、何となくお店を見てまわる流れになって、服とかアクセサリーとか見てたらこんな時間。
ちなみに新しいイヤリング欲しくて、可愛いの見つけたけどハンドメイドで高かったからやめた。
忘れずケーキの箱も抱えて、最寄駅から私の家までの短い距離を歩いた。
2人とも買い物とケーキを持ってるから、もう手は繋げなかったけど、あの時の胸の痛みはいっとき消えた。
もう2度と出てきませんようにと願った。
『じゃあまた明日学校でね』
「あ、待って(人1)」
飼っている猫達が玄関で互いを毛繕いしていた。
家に入れてあげようとした歩みは夜っくんの声に止められた。
『うん？』
「目瞑って。いいって言うまで開けるな」
『いきなり？なんで…？』
「いいから早く！」
『う、ハイ！』
夜っくんの声が急に大きくなって、反射で目をぎゅっと瞑る。
怖いよ、なに？夜っくんって時々分からない。
そう思ってると、残っていた片方のイヤリングがするりと抜かれる感覚がして、
そしてまた、両方の耳に感じる小さな重み。
「…開けていいよ」
その言葉に、ゆっくり目を開けて、眩しいオレンジと夜っくんを瞳に招き入れる。
そして、耳に触れた。
デザインは見えないけど、それは確かに、イヤリングだった。
『…こ、れ、もしかして』
「うん、(人1)が可愛いけど高いからやめるって言ってたやつ。あげる」
『なん…で、いつの間に…』
「(人1)が別のイヤリング見てぶつぶつ言ってた時。本当、悩んでると周り見てないよな〜、(人1)って。
…おかげで気づかれずに済んだけどさ」
夜っくんはゆっくりと私の髪を耳にかけて、
それから私の
「＿＿うん、似合ってるな。可愛い」
…今日、どれだけ私をドキドキさせれば気が済むのだろうか。
『何で…私、何も夜っくんに、』
「いいって。俺のお節介だから。
…(人1)が今日俺といて、少しでもいい日だった、って思ってくれたらそれでいい。あぁでも、もう無くすなよ？」
あまりにも眩しくて、ときめいて。
夜っくんとその後どうやって別れたのか、覚えていない。
＿＿＿＿＿＿
異性へのイヤリングを贈る意味
"独占"
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 924人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はるか(プロフ) - わにゆずさん» 再びコメントありがとうございます！やっぱりそうですよね！目とかにかかるくらい長かったら萌えます、ぐへへ(激キモ) 絶対見逃せないですね！公式情報を待ちましょう…！フヒヒ(激キモ) (2月29日 0時) (
レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
わにゆず(プロフ) - たしかに、大人になった夜久さんってノーセットだと前髪長いかもしれません…！うへへ（キモい）、夜久さん推しとしてはこれは見逃せないです…グヘヘヘ（キモい） (2月27日 18時) (レス) @page49 id: b8157db853 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 佐藤310さん» コメントありがとうございます！まさかの報告嬉しいです笑 日焼けのことですよね！やっぱり真っ黒になりますよね…私自身そうだったのですごく分かります。やっぱり日焼け止めを塗ってもらってるって結論にしようかな…( ・∇・) アンサーありがとうございました！ (2月27日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - ▼げきからたばばさん» コメントありがとうございます！そして一気読みありがとうございます！キュンキュンしていただけて嬉しいです…！これからも頑張るので応援よろしくお願いします！(^^) (2月27日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - むぎちゃさん» コメントありがとうございます！えーん嬉しいです…！夜久さんはイケメンの中のイケメンと思いながら書いてます！気に入ってもらえたなら嬉しいです！これからもぜひよろしくお願いします！(^^) (2月27日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はるか
| 作成日時：2024年2月11日 21時
