はぐれさせてなんかくれない ページ24
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『…お昼時だから人いっぱいだね』
「まあ今日休日だしな〜、こんなもんだろ」
夜っくんと並んでレストラン街に向かって歩いていると、お昼時だからか、向かう道はかなり混雑していた。
大きい荷物を持ってる私は色んな人とぶつかってしまう。
『っ、あ、すみません』
「大丈夫か?」
『うん、平気。そういえば5歳くらいの時…?家族でココ来たとき親と手繋いでなくてはぐれちゃって、気がついたら他の家族の親と手繋いで歩いてたことあるんだ。思い出しちゃった』
「マジか怖すぎんだろ!」
『当時も背小っちゃかったから人混みではぐれたら早々見つかんないからね。誘拐ってこともあり得た話だから未だに親はその時のこと思い出すと心臓止まりそうになるんだって』
「そりゃあ親の立場だったらそうなるわ。無事で良かったな〜ホント」
『あの時間違えて手握ってた家族が凄くいい人達だったから良かったよね…いたッ』
昔の出来事を思い出して苦笑いしてた時、
向かいから来た少し体格の良い男の人の腕と私の肩が強めにぶつかった。
すみません、と謝ろうとしたけど気が付かなかったのか、その人はすぐに人混みに消えてしまった。
「本当に大丈夫か?」
『ごめんごめん、大丈夫…あれ?』
「どうした?」
『…イヤリングがない』
ぶつかった衝撃で落ちたのだろうか。
さっきまで耳元についてたイヤリングが片方なかった。
咄嗟にしゃがんで床を探すけど、人が忙しなく行き交う場所では簡単に見つかってはくれないし、私は明らかに通行の邪魔だった。
『…しょうがない、諦めよう』
「いいのか?」
『いいよ、それよりもまた人にぶつかったりはぐれたりする方が嫌かも』
「…(人1)、」
諦めて立ち上がる私に夜っくんが声をかける。
どうしたの?と聞くと、「貸して」と私の持っていた荷物を奪った。
「悪い。最初からこうすれば良かったな」
『え、何…っ!』
夜っくんは私の荷物を左手に抱えて、
空いた右手で、私の左手を握った。
『や、夜っくん、あの、』
「…なに」
『え、えと…手…』
「…俺ははぐれたって絶対(人1)を見つける自信あるけど、
それでもやっぱりいなくなったら嫌だから」
ぎゅ、と私の手を握る力が強くなる。
まるで、いなくなるなと言わんばかりに。
「…行くよ」
『う、ん』
私の手を引く夜っくんの耳は赤くて、
こんなのドキドキしないほうが無理だ、と思った。
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はるか(プロフ) - わにゆずさん» 再びコメントありがとうございます!やっぱりそうですよね!目とかにかかるくらい長かったら萌えます、ぐへへ(激キモ) 絶対見逃せないですね!公式情報を待ちましょう…!フヒヒ(激キモ) (2月29日 0時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
わにゆず(プロフ) - たしかに、大人になった夜久さんってノーセットだと前髪長いかもしれません…!うへへ(キモい)、夜久さん推しとしてはこれは見逃せないです…グヘヘヘ(キモい) (2月27日 18時) (レス) @page49 id: b8157db853 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 佐藤310さん» コメントありがとうございます!まさかの報告嬉しいです笑 日焼けのことですよね!やっぱり真っ黒になりますよね…私自身そうだったのですごく分かります。やっぱり日焼け止めを塗ってもらってるって結論にしようかな…( ・∇・) アンサーありがとうございました! (2月27日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - ▼げきからたばばさん» コメントありがとうございます!そして一気読みありがとうございます!キュンキュンしていただけて嬉しいです…!これからも頑張るので応援よろしくお願いします!(^^) (2月27日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - むぎちゃさん» コメントありがとうございます!えーん嬉しいです…!夜久さんはイケメンの中のイケメンと思いながら書いてます!気に入ってもらえたなら嬉しいです!これからもぜひよろしくお願いします!(^^) (2月27日 1時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はるか | 作成日時:2024年2月11日 21時