角名くんに関西弁喋らせたい。【角名倫太郎】

脅迫 ページ46

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「……り、倫太郎くん、」

「あーあ、可哀想に。(人1)ちゃんのこと好きでもなんでもないのにそんなことされちゃってさ」






すんでのところで携帯片手に教室に入ってきたのは紛れもなく倫太郎くんだった。一歩、一歩、私達に近づいてきて、先輩を睨む。








「…何してんの。早く(人1)ちゃんから離れて」

「はぁ？自分逆に邪魔なんやけど、」

「あー物理のほうがいいってこと？アンタも手荒なの望みますね」

「あ？ちょ、おいっ、！」







倫太郎くんはだるそうにため息をついて先輩の胴体を掴み私から引き剥がすように乱暴に床に転がした。







「いっ…た！お前何すんねん！」

「言葉が通じなかったんで仕方なく……(人1)ちゃん、大丈夫？」

「あ……おん、」

「ちょっと目の毒だな……襲いたくなるからこれ着てて」

「！？わ、」







倫太郎くんは上に着てたブレザーを脱いで私の上半身にかけた。ふわり、鼻を掠める倫太郎くんの香りにまた苦しいくらい胸が痛くなった。







「…さて、先輩。何か(人1)ちゃんに言う事は？嫌がってるのに無理やりするなんて犯罪一歩手前ですよ」

「はあ？謝れって？俺らまだ付き合うとるしそもそも自分が見とったところで証拠もなんもないやん」

「ふーーん。じゃあこれ拡散しよっかな。あ、せっかくだし先輩も見ときます？」






よく撮れてません？なんて、倫太郎くんはニコニコ笑って先輩の前にしゃがんで携帯を突き出し、画面をタップした。







『せめて思い出に一回くらいええやろ、な？』


『いや…やめて、くださ…』






先輩に向けられてる携帯。画面は見えないけど、音声からさっきの私と先輩のやり取りやと分かる。
先輩の顔を見れば、サァッと青ざめていた。







「っ…いつからおったんや」

「押し倒したあたりからです。良かったですね先輩、この動画のおかげで有名人間違いなしですよ」

「っ…消せ！」

「おっと」








倫太郎くんは飛びつく先輩を余裕で軽く交わした。ああ、下半身のブレなさ。流石としか言えない。
そのまま、バランスを崩して尻餅をつく先輩の胸ぐらを掴んだ。








「まずは(人1)ちゃんに謝れ。土下座で。それからその気がないなら別れて二度と彼女に近づくな。じゃないと動画拡散してやるから」

「……っ、」

「返事」

「…〜っ、分かった」








そう言って先輩は不服そうに土下座をして謝った。









「……すまんかった。もう二度と近づかんから」

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