角名くんに関西弁喋らせたい。【角名倫太郎】

遠回 ページ33

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「…と、いうわけで。私、倫太郎くんを好きになってしまいました、はい」

「ほおん。まあ頑張れや」

「あれ。驚かんのやな？」

「当たり前や。前と明らかに雰囲気ちゃうしいつの間にか名前呼びしとるし？逆にもう付き合うたんかと思ったわ」






宮侑に倫太郎くんへの恋心を照れ臭く報告すれば呆気ない返事が返ってきた。ジュースを飲みながらじとりと私を見つめる宮侑はこの話にさほど驚きはしとらんらしい。

それでも2学期にはいって席替えしたんに私の元まで話聞きにきてくれる優しさ。隠れええ奴に認定します(？)





「なあなあ、倫太郎くんの好みのタイプとか知らへん？」

「そんなんストーカーしとった自分が一番知っとるやろ」

「ストーカーって言うな。いや倫太郎くんの美貌しか観察しとらんから知らん」

「美貌しかって…あれ、よう考えたら俺も角名の好みとかそういった類いの話聞いたことあらへんかも」






おいおいまじか。普通2年間も一緒に部活しとったらそういう話くらいするやろ。アッでも倫太郎くん何でも秘密にしたがるところあるミステリアス男子やからなあ…そこがイイんやけど！


けどタイプはぜひ知りたいところ。ショートカットが好みとか言われるかもしれんしな。



私は慌てて隣のクラスで朝からおにぎりを頬張る宮治のもとへダッシュした。授業開始前の5分、廊下に引っ張って手短に用件を済ませる。







「詳しくは後で宮侑から聞いてほしいんやけど倫太郎くんのタイプってどんな子か知らん？」

「…ふーーん。ツムに聞かんくても分かるわ。角名のタイプやろ？前に言うとったことあるで」

「ほ、ほんま！？流石同クラやな！」

「角名のタイプはな、」





そこまで言っておにぎりを一口口に含む宮治。いやタイミング。はよ言えや。

けど教えてもろとる立場でそんなこと言えるわけなくて幸せそうに咀嚼する宮治の次の言葉を必死に待つ。




こくり。喉が動いた後、一言。








「"見てて飽きない子"やて」






宮治はそれだけ言うて軽く手をあげて教室に戻って行った。

取り残される私。








「え、ちょ、宮治！もっと具体的なんないの！？」

「おーい須藤、授業始まるから教室戻れや」

「いえ！この件は授業より大事なんです！」

「喧しいわ」







まるで漫画みたいに教師に連行されていく私を、倫太郎くんが楽しそうに見てたなんてつゆ知らず。







「はーあ、早く気づいてほしいなー」

「拗らせすぎやろ自分ら…」

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