強行 ページ21
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「…待って」
「うん。待つよ」
「い、いいい今、たべ、食べさせてよって言った…！？」
「うん。ホラよくあるじゃん。あーんってやつ」
「……いや無理無理無理絶対無理、」
聞き間違いやなかった。食べさせてよってやつ。
まさか角名くんがそんなこと言うと思うわけないやん。あーんなんてどこぞの少女漫画とかでしか見たことないしあれってカップルがやるもんじゃないの？
兎にも角にも私にはそんな度胸も資格もなかった。推しにあーんはキツい。手震えて卵焼き落とす自信しかない。
「そんなに無理なの？ちょっと傷ついちゃうなー…」
「いやほんまに申し訳ないけどハードル高いんやって…！手で摘んでもいいから、」
「でも須藤さんの作ったものだし。須藤さんの手から食べたいな…ダメ？」
「ヴァッ……あ、あざと…っ、いや、でも緊張して手震える…から、あかん…！」
「じゃあこうしようよ」
角名くんはそう言って私の手に箸を握らせ、またその上から手を重ねた。嫌な予感しかせんかった。
「す、角名くん…！」
「あっ、ちょっと卵焼き掴めないから大人しくしてて」
「ひゅ、み、耳元で喋らんといて…」
「耳弱いの？覚えとくね」
ふう、と大袈裟な吐息がかかって、背筋が痺れた。どんどん甘くなる展開についていけなくて、私の身体から力が少し抜けたらしかった。
卵焼きを無事に掴んだ私の右手が、重なる角名くんの手によって口元まで運ばれた。
「いただきまーす」
「うぅ…角名くんのアホ…」
「あっ、初めてアホって言われたかも。やった」
「何喜んでんねん…」
その瞬間、角名くんの口の中に卵焼きが消えた。モグモグと咀嚼する姿があまりにも可愛くて思わずボーッと眺めてしまった。目を細めた角名くんと視線が合ってハッとして、重なった手を無理矢理離した。
「ん、あれ、卵焼き甘めなんだね」
「あ、ありがと…もしかして甘め、あんま好きやなかった…？」
「いや、関西の卵焼きってしょっぱめだからちょっと驚いただけ」
「そうなんや…良かった。私、甘めの味付けの方が好きなんよ」
「実は俺もなんだよね、昔から甘めで育ってきたから…美味しかった、ありがと」
解放された安心感からか、美味しかったと言われた嬉しさからか。私は笑みをこぼした。どこまでも単純なんや、私は。
ドッ、ドッ、
未だ熱い耳と不規則にうるさく脈打つ心臓は意味が分からず無視した。
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しー - すなりんめちゃくちゃ好きで5年前とかから推してます！！！！私、無気力組推しなので角名様に出会えて光栄です！！！！！ (4月3日 22時) (
レス) @page21 id: afca8304a2 (このIDを非表示/違反報告)
蒼空 - いやあ角名いいですよね…島崎信長さんが声優の時点で結構やばいです心臓が…なんか角名を前にしたら自分もこの夢主みたいになりそうだなって思っちゃいました！笑 あれ…自分って国見ちゃん最推しだったよな…(確認)気づいたら角名のほうが好きになってそうで怖いわ… (2022年1月8日 17時) (レス) id: b33d35a5c4 (このIDを非表示/違反報告)
りーゆ。(プロフ) - めちゃ好きです！〜だが は、 〜だけど・〜ですが といった意味です！（ざっくりですが） (2021年10月12日 23時) (レス) @page50 id: f1e0d92b42 (このIDを非表示/違反報告)
あすか - めっちゃめっちゃ面白かったです！愛知県民ですがどっちかといえば今は三河弁の方が多いんじゃないかなと思います！尾張の方はおじいちゃんとかしか使わなくてほとんど標準語なので (2021年8月1日 0時) (レス) id: f5eb0c86a5 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - きたさん» コメントありがとうございます！わ、角名くんとは逆パターンなんですね…！それでも羨ましい…方言、京都とかより柔らかくてめちゃくちゃ好きでした(角名くんの謎イントネーションも←) 私の妄想から生まれた小説を読んでくださりほんと感謝してます！！(^^) (2021年1月4日 0時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるか
| 作成日時：2020年8月17日 8時
