角名くんに関西弁喋らせたい。【角名倫太郎】

逃走 ページ12

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悶々と自分の寿命のことばっかりを考えとったらあっという間に放課後になってしもた。

こういう時だけ時間経つの早いん何なんやろまじで。






「宮、ちょお来い」

「え〜…俺部活行かなあかんのに〜」

「すぐ終わるわ」





HR終わってチンタラ鞄に荷物詰めとったら宮侑が先生に呼ばれて、すかさず私の目が光る。




せや、この隙に逃げたろ。逃げるが勝ちや。





どうしたん？とツッコまれてもおかしくないくらい急に帰り支度をテキパキとして、慌てて教室を飛び出した。後ろから気づいた宮侑の「あ！待てや(人1)ちゃん！！！！」という声が聞こえたけど無視や。やって逃げるが勝ちやもん。


明日はどう乗り切ろうかな、と思うた瞬間、バンッと音がして目の前が急に誰かで塞がれた。音は行く手を阻むように壁に伸びる手が出したものだった。

恐る恐る顔をあげれば、ニコォ…と不気味な笑みを浮かべて反対の手に食べかけのパンを持つ宮治やった。







「そない急いでどこ行くん？あっ、まさか約束忘れたとか言わせんけど」

「顔コワ…ん"ん"っ、いや忘れとらんけど…あんな、やっぱ私には心の準備が必要やねん」

「ちなみにどんくらい必要なんや」

「2ヶ月くらいは必要やな」

「なっっっが」







そら長いわ。自分でも思う。
けど日常の推しですら5秒も直視できないほど可愛くてカッコよくて尊いのにバレーしてる姿なんて見れると思うか？答えはノーや。無理。尊さで身体吹き飛んでまうわ。叫ぶ以前の問題やねん。






「なんでそこまで私に見に来て欲しいんや…心臓発作起きてもええんか！？」

「よくはないけど…(人1)ちゃんおると角名の調子も良くなると思うから」

「え"っ…ちゃうやろ、私如きが角名くんの調子を左右するなんてそんな訳あらへんわ。それはきっと異世界の話やな、うん。おつかれ〜」






少し小柄な身体を生かして宮治の横をするするとすり抜ける。おい、という声も無視して心の中で角名くんに謝る。ごめんな、2ヶ月後にはちゃんと見れたらええんやけど、と。






「何が見れたらいいの？」

「いや、角名くんのバレーしとる姿、を……！？」

「え、今日見てけばいいじゃん」

「あっ、ばばばすすすすなくん」







不意打ちはやめろとあれほど(n回目)

急に現れた角名くんのせいでまた汚い声漏れた。アーメン、、





ついでに逃がさないというように手首も掴まれて、後ろからは宮兄弟が。









うっっっわバッドエンド不可避やん。

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