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指先、
髪、
頬、
唇。
朧げに触れる熱、確かに仕舞っておきたくて。
君の名前を綴る。
おさむ。
その声に笑みをこぼした君の頬に、迷わず手を伸ばして
.
「＿＿＿＿また、ゆめ」
掠れた声で呟いて、きゅっと手のひらを握りしめる。喉が渇いている。
人の欲望は夢に現れるのだろうか。ここ最近夢で治に出会うことが多い。
瞼に届く香りも、甘い呼吸も、朧げに触れたはずなのにその場限りのものにしかならなくて、実際にはなにも残っていない。こうして夢で出会えた翌朝には虚を仰ぐしかなかった。
痛い。胸も瞳も喉の奥ですらも。
ぼんやりと起き上がってカレンダーを見れば、今日は学校が休みで、尚且つ治の受験の日。
時計を見れば11時。すでに試験は始まっている。
隣に置いてある携帯には、〈頑張ってくるな〉と治から2時間半前にLINEが入っていた。
「……頑張れ、なんて今更かなあ」
結局スタンプだけ送って、ぽすりと再びベッドに背をつける。
瞼は閉じれない。きっとまた夢で治に出会ってしまうから。
情けないな、この感情。
けれど願って何とかなるほど、願って飛び込んでゆけるほど、単純じゃない。
浮気されてるわけでもない。治は真っ直ぐ前を見て頑張ってる。私が情けないだけ。
だから、今日も。さみしさを、喉の奥、飲み込んで、果てしなく。
(さみしい、嫌、わがまま、熱)
もどかしく喉の奥で溶けきらない感情に劣等感を抱いていた。
.
.
夕方。ピンポン、とインターホンが鳴った。
親は仕事でいない。私1人。治から連絡はない。試験、無事に終わったのだろうか。
そんなことを思いつつ、誰かも確認もしないままドアを開けた。
「…え、」
「…っはあ、(人1)…」
そこには息を切らして私の名を呼ぶ治がいた。幻覚、じゃない、？
どうして、なんて聞くよりも早く、
治がぎゅっと私を抱きしめた。
触れる熱、
大好きな香り。
「受験、一応終わったから、(人1)に会いに来てん。
＿＿＿ずっと、寂しかったんやろ？ごめんな、」
俺も寂しかったわ。なんて笑う治。
どうしてこの人は私の気持ちが分かるんだろうか。
けれど、その笑みに、優しさに、喉から溢れてしまう。
「…さみし、かったわ、」
その言葉を待っていたように、
そっと、唇が重なった。
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*H・K* - 同じ“嫉妬”っていうお題？なのにいろんな人で書けるなんてすっっごいと思います！これからも頑張ってください♪ (2021年9月26日 8時) (
レス) @page4 id: b7f7467b2d (このIDを非表示/違反報告)
たまご - こんばんわ！いつもこんな素敵な小説を書いてくださってありがとうございます！！先生の小説をよんで、いつも元気とキュンキュンを貰えます！(o^∀^o)これからもずっと応援してます(≧▽≦)いつもいつもほんとに幸せをありがとうございます！頑張ってください(^^)/ (2021年8月15日 0時) (レス) id: 6e4fdc75b3 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - あるこばれーの。さん» いつもありがとうございます(^^) おこがましくないですよ！とても嬉しいです、、！最後まで頑張りますのでお付き合いよろしくお願いしますm(._.)m (2020年10月29日 20時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - kanaさん» いつも私の作品見ていただきありがとうございます(^^) 感謝です、幸せになります！ (2020年10月29日 20時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - smile0312さん» ありがとうございます(^^) 幸せになります！ (2020年10月29日 20時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるか
| 作成日時：2020年8月14日 23時
