幸せとがむしゃら ページ46
.
プロポーズから4年後のお話
英side
定時のチャイムが鳴る。
俺は即座にパソコンを立ち下げ、無駄な動きなど一切作らずに周りに「お疲れ様でした」と声をかけ退社した。
「あー疲れた…」
車に乗り込んで座席ににもたれかかる。今日も仕事疲れたな、定時にあがれてよかったなと思った。
熱く、がむしゃらに生きるのは好きじゃない。学生時代も今も。
けれど、支えるものがあるなら別だ。もう子どもではないのだから。
俺は夕方の帰宅ラッシュにつかまる前にアクセルを踏んだ。
.
マンションの9階。とある一室。
ドアを開けて「ただいま、」と言えば、パタパタと可愛らしい足音が聞こえてきた。
「パパ！おかえり！」
「ただいま。
「おふろはいってたもん！」
「出迎えありがと。でも髪はちゃんと拭かなきゃ。またママに怒られちゃうよ」
おいで、と英華を抱き上げてリビングに入れば、
(人1)がアッとした顔で俺と英華を交互に見つめた。
「英、おかえり」
「ただいま」
「出迎えれなくてごめん〜…
「大丈夫。ふふ、うちの娘達は誰かさんみたいにアグレッシブでいいねえ」
「ニヤニヤすんな」
3歳の英華と2歳の紗英。
俺達が授かった娘は、すくすくと元気に成長していて。
親になるってすごく感慨深くて、難しくて、
それでもやっぱりこうして見ているだけで幸せになるものだ。
「ぱあぱ、」
「ん？紗英も抱っこしてほしいの？」
「うん、」
「いいよ、おいで」
さすがに2人も抱えると立っていられないと思ってソファに腰掛けて紗英も抱きしめれば、
やわらかくて、石鹸のいい香りがした。
「あ"〜…ストレス社会で生きる俺の癒し…」
「ふふ、相変わらず2人とも英のこと好きだね」
「2人とも、将来パパと結婚するもんね？」
「「する！！」」
「え〜、パパと結婚してるのは私なのに…」
俺の鞄をそっとリビングの椅子に置いた(人1)がむくれていじらしそうに俺と娘を見ていて、
その様子がおかしくて、俺は笑って(人1)を手招いた。
「またやきもち。可愛い」
「うるさい調子乗るな…」
「ごめんって。はいチューしよ」
「あっ、ちょっ、」
妻も娘も、みんなみんな宝物。
その為になら、少しぐらいがむしゃらに生きたっていいと思う。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 928人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*H・K* - 同じ“嫉妬”っていうお題？なのにいろんな人で書けるなんてすっっごいと思います！これからも頑張ってください♪ (2021年9月26日 8時) (
レス) @page4 id: b7f7467b2d (このIDを非表示/違反報告)
たまご - こんばんわ！いつもこんな素敵な小説を書いてくださってありがとうございます！！先生の小説をよんで、いつも元気とキュンキュンを貰えます！(o^∀^o)これからもずっと応援してます(≧▽≦)いつもいつもほんとに幸せをありがとうございます！頑張ってください(^^)/ (2021年8月15日 0時) (レス) id: 6e4fdc75b3 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - あるこばれーの。さん» いつもありがとうございます(^^) おこがましくないですよ！とても嬉しいです、、！最後まで頑張りますのでお付き合いよろしくお願いしますm(._.)m (2020年10月29日 20時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - kanaさん» いつも私の作品見ていただきありがとうございます(^^) 感謝です、幸せになります！ (2020年10月29日 20時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - smile0312さん» ありがとうございます(^^) 幸せになります！ (2020年10月29日 20時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はるか
| 作成日時：2020年8月14日 23時
