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「え、え？待ってまっ、え？今…」
「もっかい言おうか？俺と結婚しようや」
「幻聴やなかった…」
幸せとか、嬉しさとか、よく分からない感情が肌を撫でていくみたいやった。
ホンマにこの人はいつまでも唐突で、突拍子もない。もはや何の話をしていたか一瞬忘れてしまうほどやし。
「まあNOはないやろ、な？」
「…せやなあ。けど、治はホンマに私でええの？」
「はあ？」
私の左手を握ったり撫でたり、弄んでいた治が眉を潜めて私を見る。
いやホラ私あんまりおにぎりさあ、まで言うた時、治が「あんなあ！」と食い気味に被せてきた。
「そんなもん百も承知やし何なら5年くらい前から知っとるわ。
それでも(人1)と一緒に残りの人生過ごしたい言うとるんやで」
「おさむ…」
「つべこべ言わんとさっさと頷け。今日からお前は宮になるんや」
言い方はちょっとした脅しなのに、温もりから表情からどこまでもが優しさに満ち溢れている。
意図せず頬を伝っていく涙を右手で拭って、私は精一杯に頷いた。
「……治の奥さんになりたい」
「おん。安心せえ。80になった時ツムが「治の方が幸せそうやん！！」ってのたうちまわるくらいには幸せにするつもりや」
「ええ…そんなの幸せすぎて溺れてまうやん」
「それでええねん。絶対後悔だけはさせんから」
どこから取り出したのか、左手の薬指にそっと証を通される。2L DKの天井に取り付けられた安い蛍光灯がその証を照らして輝きを私の瞳に眩しく伝えた。
「ずるいよな、治って」
「フッフ。もっと褒めてくれてもええで」
「嫌や」
「えぇ、褒めてや」
立ち上がった治がゆっくり、こちらに近づいてきて私を見つめる。
髪と頬を撫でて、顎に手を添える。いつもの流れ。治が薄く笑った。
「明日から俺の作ったおにぎり食べる練習しような」
「え、マジで言うとる…？」
「おん。大マジや。俺の作ったおにぎりだけは食べれるようになってくれたら最高やわ」
「拒否は…」
「職も決まらん分際で言える立場ちゃうなあ。
…そもそも俺に恋した時点でこういう未来や。堪忍せえ」
そんなの知らない、って否定の言葉は触れ合う唇の奥に溶けた。ああ、また純情に欲張ってしまう。
覚悟も未来も、全部幸せと一体化して早く包まれないかな、と願う。
どうか、私が治の作るおにぎりを頬張れる日が来ますように。
おにぎりと愛-fin.-
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*H・K* - 同じ“嫉妬”っていうお題？なのにいろんな人で書けるなんてすっっごいと思います！これからも頑張ってください♪ (2021年9月26日 8時) (
レス) @page4 id: b7f7467b2d (このIDを非表示/違反報告)
たまご - こんばんわ！いつもこんな素敵な小説を書いてくださってありがとうございます！！先生の小説をよんで、いつも元気とキュンキュンを貰えます！(o^∀^o)これからもずっと応援してます(≧▽≦)いつもいつもほんとに幸せをありがとうございます！頑張ってください(^^)/ (2021年8月15日 0時) (レス) id: 6e4fdc75b3 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - あるこばれーの。さん» いつもありがとうございます(^^) おこがましくないですよ！とても嬉しいです、、！最後まで頑張りますのでお付き合いよろしくお願いしますm(._.)m (2020年10月29日 20時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - kanaさん» いつも私の作品見ていただきありがとうございます(^^) 感謝です、幸せになります！ (2020年10月29日 20時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - smile0312さん» ありがとうございます(^^) 幸せになります！ (2020年10月29日 20時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるか
| 作成日時：2020年8月14日 23時
