私が1番知っている。 ページ8
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「えー!光藤さんって影山と幼なじみだったのか!」
「はい、そうです」
「やば、大丈夫か?影山怒ってなかった?」
「理不尽にキレられました…」
放課後の部活、
私はスガさんと田中さんに挟まれていた。
月島くんがいらんことを喋ったらしい。
私はため息をついた。
「…なあ、気になるんだけど影山って、昔からああいう性格なの?」
「いや、5歳までは可愛かったです」
「5歳からは?」
「温玉を巡って私と争い始めました。バカって言われたのもこの時が初めてです」
「…はあ?」
全員が首をかしげる。そりゃあそうだわ。
私は温玉事件のことを、ぽつりぽつりと話し始めた。
ドッとスガさんと田中さんの笑い声が響き、
何事かと澤村さんや潔子さんまで近くに来た。あぁ、勘弁してくれ…
「そんな地味なことで争うなんてホント君ら低レベルだね〜」
「うるさい月島くん。背縮めバーカ」
「幼なじみだけど天敵かあ…変すぎるな!」
「知ってます」
私はスガさんの言葉に深く頷いて外に視線を向けた。
きっと今頃日向くんと外でレシーブとかの練習してるんだろうなあ…
スガさんは、なあなあ、と更に口を開く。
「ズバリ今の影山の状況を見た気持ちは?」
「ぶっちゃけ清々してます」
「ブハッ!おい幼なじみ〜」
「幼なじみでも憎い時は憎いんです」
すると月島くんまでもがフッと笑って、
私を上から見下ろした。
「可哀想に、王様は幼なじみにまで見限られてるんだ」
「…ん?別にそうとは言ってないけど」
「いや言ったじゃん」
「それとこれとは話別だよ」
私を見下ろす月島くんに、
負けじと下から睨み返す。
澤村さんのこれ以上問題を起こすな、という鋭い視線が横から刺さる。
大丈夫だ。私は本心を述べるだけ。
「飛雄と日向くんは負けないよ、きっと」
「…キミ、中学時代のアイツのプレイスタイル見てんでしょ。それでもそう言えるわけ?」
「…確かに飛雄は王様かもしれない。
あの時の試合から一つも変わってなければ、の話ね。
確かに憎いけど、でも飛雄がバレー大好きなの私が1番知ってるから、信じるしかないんだ。
…だから月島くんが飛雄をどう思ってるか知らないけど、油断してると足元掬われるよ?気をつけなね」
どうだ、という顔で月島くんを見れば、
なんかムカつく、と思いっきり頬をつねられたのだった。
…痛い!!
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ましゅ(プロフ) - ヒェ〜〜〜最高すぎました〜〜〜はるかさんって、センスの塊なのもそうですけど、ツンデレを扱う天才ですよね!?!?京治くん挟むのも天才〜〜〜大好きです!! (2020年6月21日 17時) (レス) id: 01c5a5310c (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 狐さん» コメントありがとうございます!ギュンギュンしてくれたなら何よりです← 臣臣くんの小説ただいま執筆中なのでもう少しだけお待ちください〜!(^^) (2020年6月17日 17時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - チベットさん» コメントありがとうございます!そこに気づけてもらえて嬉しいです…このシリーズ完結したらぼちぼち色々書くつもりでいるのでまた覗きにきて下さいね〜! (2020年6月17日 17時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - しぃらさん» コメントありがとうございます!赤葦くん大好きなのでついつい導入させてしまうんですよね笑 はい!体調第一で頑張りますので佐久早くんの小説楽しみにしててくださいね!(^^) (2020年6月17日 17時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 虹華さん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえてめっちゃ嬉しいです励みになります(^^) 佐久早くんの小説楽しみにしててくださいね! (2020年6月17日 17時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はるか | 作成日時:2020年5月23日 23時