勝利の糸口。 ページ41
.
ピピーッ、とセット終了の笛が鳴って、
私達は「あぁっ…」と感嘆の声を漏らす。
28-26。
第二セットを制したのは、やはりペースを掴んでいた青城だった。
スガさんの投入や山口くんのサーブで怒涛の盛り返しを見せたけど、
及川さんのおぞましいサーブや、京谷さんの恐ろしいスパイク(囮)もあり、
最後の最後で逆転出来ず、フルセットで戦うことが確定した。
「惜しかったなぁ…忠のジャンフロで1回逆転出来たのになぁ…」
「お前の弟子すげーなぁ。IH予選の時とは見違えるくらい成長したじゃんかよ」
「だろ？」
「うぅ…三セット目だね…」
「仁花ちゃん、顔死んでるけど大丈夫！？」
「逆に(人1)ちゃんはどうしてそんな大丈夫なんデスカ…」
「いや大丈夫ではないけど…運命だからかなあ」
「運命？」
仁花ちゃんの聞き返しに、私はコクリと頷く。
そう、これはそういう運命なのだ。
練習試合、IH予選、そして今。
青城は、簡単に勝たしてはくれない相手。
フルセットで戦う宿命。
「(きっと飛雄も及川さんも、"そうこなくちゃ"って思ってる)」
第三セット。
戦いの火蓋が切られた。
.
「すまん長い！！」
「田中さんッ」
バンッ、と田中さんのストレートが決まる。
第三セットは均衡状態が続いて、青城リードのまま、取って取られてを繰り返していた。
「やっぱ及川のサーブ厄介だなぁ」
「それだけじゃなくて…次の岩泉さんのサーブも強烈だし、何より京谷さんも脅威です」
「だよなぁ…及川のサーブ一本で切るか…どこかでブレイクできたら…」
「うーん…可能性は…もしかしたらあるかも…？」
睨み合う田中さんと京谷さん。
…を見る月島も、何やら思う節がありそうだった。
及川さんのサーブ。
それがネットに当たって、こちらのチャンスボールになる。
月島が速攻で打ったのを及川さんが拾って、
岩泉さんが京谷さんに託す。
京谷さんが助走に入るタイミングで、
ライトのストレート側にいた田中さんと月島がブロックの場所を入れ替えた。
スパイクは月島がブロックして、青城のコートに落ちた。
「…なるほど」
「…え、今の、」
「京谷さん、田中さんと挑発繰り返してたんだよ。無意識かなあ…
月島はそれを読んでたみたいね」
バシバシと田中さんに背中を叩かれてる月島を見て、
どこか勝利の糸口を掴んだような気がした。
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ましゅ(プロフ) - ヒェ〜〜〜最高すぎました〜〜〜はるかさんって、センスの塊なのもそうですけど、ツンデレを扱う天才ですよね！？！？京治くん挟むのも天才〜〜〜大好きです！！ (2020年6月21日 17時) (
レス) id: 01c5a5310c (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 狐さん» コメントありがとうございます！ギュンギュンしてくれたなら何よりです← 臣臣くんの小説ただいま執筆中なのでもう少しだけお待ちください〜！(^^) (2020年6月17日 17時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - チベットさん» コメントありがとうございます！そこに気づけてもらえて嬉しいです…このシリーズ完結したらぼちぼち色々書くつもりでいるのでまた覗きにきて下さいね〜！ (2020年6月17日 17時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - しぃらさん» コメントありがとうございます！赤葦くん大好きなのでついつい導入させてしまうんですよね笑 はい！体調第一で頑張りますので佐久早くんの小説楽しみにしててくださいね！(^^) (2020年6月17日 17時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 虹華さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえてめっちゃ嬉しいです励みになります(^^) 佐久早くんの小説楽しみにしててくださいね！ (2020年6月17日 17時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるか
| 作成日時：2020年5月23日 23時
