筒井筒。 ページ15
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「うわ影山の部屋何もねえ！」
「いや、いかがわしい本の1つや2つくらいあるデショ」
「月島、後からこっそり探そうよ」
「探さなくてもそんなもんねえよ」
広い飛雄の部屋は、6人もいればあっという間に狭くなってしまった。
大きなテーブルも、教材を広げればギッチギチ。飲み物等は床に置くことにした。
「谷地さんここ教えて！英語！」
「あ、うん」
「ツッキー、数学みてくれない？」
「…いいけど」
日向は仁花ちゃんに、山口くんは月島に勉強を教わり始めたので、
私はしょうがなく飛雄の古文の勉強をみてやる。
「テスト範囲そこまで広くないから大丈夫だと思うけど…どこが分かんないの？」
「全部分かんねえに決まってんだろ」
「また開き直って！えーっと…じゃあとりあえず範囲�，琉棒�物語の筒井筒からいこうか」
「つついづつ…って読むのかこれ」
「そこから！？」
私は呆れつつもテキストを開いた。
「…もしかしなくても、現代語訳は分かんない…よね？」
「分かんねえ…どんな話なんだこれ」
「うーん、ざっくり言うと、幼なじみの恋の話かなあ」
私は笑ってテキストを見つめて口を開く。
「幼い頃から井戸の周りで遊んでいた男女がいたの。まあ今でいう幼なじみだよね。
その2人が大人になった時、互いに夫婦になりたい、と思うようになった。
でも、女の方の親が反対したの。その時に男から歌が届いたんだ。」
「…なんて、届いたんだ？」
珍しく飛雄が真剣な眼差しを向けてきて、
何故だ、と疑問に思いながらもその問いに答える。
「＿＿筒井つの井筒にかけしまろがたけ過ぎにけらしな妹見ざるまに。
"筒井戸の井筒と背比べをした私の背は、もう井筒を越してしまったようだ。あなたに会わないでいるうちに大人になった"って。
それに対しての女の返事は、
＿＿くらべこし振り分け髪も肩過ぎぬ君ならずしてたれかあぐべき。
"あなたと長さを比べ合っていた私の振り分け髪も、長くなって肩を過ぎたわ。あなた以外の誰のためにこの髪を結い上げましょうか"って。
「あぐ」っていうのは髪を結うことで、成人の記しとして行うんだって。結婚できるよ、って意味らしいよ。ほらここの問いにもある」
テキストを指させば、飛雄はなぜかじっと私を見つめて、ポツリと言い放った。
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「…なんか、俺と(人1)みてーな話だな」
そうだと、思っていたい。→←無自覚天然野郎とシャンプーの香り。
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ましゅ(プロフ) - ヒェ〜〜〜最高すぎました〜〜〜はるかさんって、センスの塊なのもそうですけど、ツンデレを扱う天才ですよね！？！？京治くん挟むのも天才〜〜〜大好きです！！ (2020年6月21日 17時) (
レス) id: 01c5a5310c (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 狐さん» コメントありがとうございます！ギュンギュンしてくれたなら何よりです← 臣臣くんの小説ただいま執筆中なのでもう少しだけお待ちください〜！(^^) (2020年6月17日 17時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - チベットさん» コメントありがとうございます！そこに気づけてもらえて嬉しいです…このシリーズ完結したらぼちぼち色々書くつもりでいるのでまた覗きにきて下さいね〜！ (2020年6月17日 17時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - しぃらさん» コメントありがとうございます！赤葦くん大好きなのでついつい導入させてしまうんですよね笑 はい！体調第一で頑張りますので佐久早くんの小説楽しみにしててくださいね！(^^) (2020年6月17日 17時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 虹華さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえてめっちゃ嬉しいです励みになります(^^) 佐久早くんの小説楽しみにしててくださいね！ (2020年6月17日 17時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるか
| 作成日時：2020年5月23日 23時
