好物頂上決戦【北 信介】

食堂チャレンジ。 ページ5

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主将なんて人生初経験で(当たり前)、

新体制になった頃は本当にうまくいかなくて、主将って大変なんだな…とひしひしと感じていた。


それでも、たまに北と顔を合わせては、

こんな練習取り入れるんもアリちゃう？みたいな話をして、

何とか、何とか形になっていると思う。









そして、季節は春。

私達は、3年生になった。







「え、練！同じクラスやん！中2ぶりやな！」

「お。ホンマや。久しぶりやなあ」

「うわ…練、私の前の席にくるとかやめてな？黒板見えへんから」

「心配せんでも最初のうちは出席番号お前の方が前やろ」

「そっか…って出席番号前後やんか笑える」







クラス替えの掲示板を見て練と笑いながら3年7組を目指せば、

見たことのある後ろ姿が。




声をかければ、くるりと振り返り、








「犬塚と…練、」

「おん、北も7組？」

「せや」

「信介、1年間よろしくな」







呼び方が変わっとる2人を見て、どこかホッコリした。




2年の時とは違って小さく笑う北。







ああ、いい一年になりそうやな。







あの時と同じように、本当に呑気なことを考えていたこの時の私をぶん殴りたい。









それは、4月下旬の、とある昼休みのこと。





「今日の日替わり、照り焼きハンバーグやって！さきちゃん、はよ！」

「待ってってば…(人1)、ホンマ飯のことなると目キラキラしよるよな」

「えへへ、食べるん大好きやもん」




いつものように、同じクラスになった女バレで仲のいい、さきちゃん(MB)と食堂に向かった。


すると食券売り場の前に、いつも教室でご飯を食べてる練と、北、そして尾白くん、赤木くんがおった。








「なんや男バレ、食堂珍しいなあ。いつも教室で食べとるんに」

「(人1)か。いや信介、食堂で飯食うたことないらしいねん」

「えっ、嘘やん。3年間で初めて？」

「おん」







いつものように、さらりと返事する北。

ピ、と食券を購入して尾白くんと歩いて行ってしまった。







「…おもろいなぁ」

「(人1)、変な目で北くん見るのやめや…」

「見てへんわ！あのなさきちゃん、」

「はいはい、分かった分かった」







ホラ照り焼きハンバーグなくなるで、さきちゃんに急かされて、


少しむくれながら食券を購入した。









そして、面白いから北の隣の席(テーブル)に座ったろ、とお盆を持って向かえば、







そこには素晴らしい所作で豆腐ハンバーグを口に含む北がおった。

静かに、火花を散らす2人。→←北信介は優しい人。

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