忘れてしまった、 ページ28
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「あ、(人1)せんぱいだー」
「角名くん…?え、てか男子なんでおるん?試合5日後やろ?」
「応援に来たんやんか〜」
「ホンマ?ありがとう〜!」
インターハイ。
私の、最後の青春。
予選グループ戦を勝ち抜いた私達は、決勝トーナメントに進出した。
そして、アップがもう少しで始まるという時に、
バレー部2年の3人とバッタリ。銀島くんは何故かおらん。
他の人達は応援席にいるらしくて、3人はトイレしにきたらしい。仲良しかお前ら。
何だかこのメンツで話すのは久しぶりだなぁと思って、次にハッとした。
「そういえばアンタら、最近絡んでこんくなったけど…北の弱み握れたん?」
「あ〜…はい」
「まじか!何なん!?教えてや〜!」
「お断りします〜。アンタなら絶対見つけられますから」
なぜか、ニヤニヤしながら言われた。
え〜〜意地悪やん。あんだけ共有しましょ!言うとったんにいざ自分たちが見つけたらコレかい。
何だか呆れて笑ってしまった。
「…何や(人1)サン、何日か前までえらい怖い顔しとったけど普通になったな」
「あ〜…侑くん、よお見とるなあ。せやねん、色々重なってちょお限界きとってん。
…ほんで北に見つかって、泣いとったらすごいええ言葉くれた」
「…なんて?」
「え、秘密…あの言葉の重みと大切さは、私だけのもんやからな」
ふふ、と笑って3人を見れば、えーもうそれアレじゃん…となぜか呆れている角名くんと治くんと、
何か言いたそうな侑くん。
…あ。
「そう言えば侑くん、この前何言おうとしたん?」
「は…?この前って、」
「え?ほら、頭から水被っとった日。何か言おうとしたら北に遮られとったやん」
「あ〜…よう覚えとりますね」
「そらあんな真剣な顔しとったらなあ…で?何やったん?」
侑くんはしばらく黙りこくった後、「忘れましたわ」とケロッと言うた。
「あんな顔しといて…」
「忘れるくらいやからどうでも良かったんですわきっと」
「そっかあ…実は北のおもろい話かもって期待しとったんに…
あ、ごめんもう行くわ。応援よろしくな〜」
そろそろ集中力高めに行かなければ。
私は3人に手を振り、駆け出した。
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「ツム、お前まさか…」
「は?ちゃうわ。ホンマに忘れた言うとるやろ」
「恋ごこ、むぐっ」
「それ以上言うたらどつくぞクソサム」
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ミカ(プロフ) - 本当にこの作品を読んでいる時間が最高でした!シリーズの中でこのお話が一番好きだなって思いました。花言葉で心情の変化をを表したりするところ、流石です!!!セリフ一つ一つに深い意味が込められていて素敵でした!あと、私も北信介って名前の響き好きです(笑) (2020年5月25日 21時) (レス) id: ee1104400e (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 狐さん» ありがとうございます!語彙力!笑 嬉しいですありがとうございます^ ^ 出来たので是非読んでみてください〜!! (2020年5月24日 23時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - しぃらさん» ありがとうございます!大丈夫ですか生きてください…!ふいに北さん花絶対似合う、って思ったら調べるのにめちゃ時間かかって後悔したんですけどね(・・;) 影山くんの小説もぜひぜひ!読んでくださいね! (2020年5月24日 23時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - チベットさん» ありがとうございます!いや小説出すほどのレベルじゃないですまじで笑 実は名前にも意味があるんです、キタキツネの天敵は犬らしいので…^ ^ 影山くんの小説でも探してみてくださいね (2020年5月24日 22時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 虹華さん» コメントありがとうございます!最後の告白のところは実は書き始めたときからもう決めてました笑 意外とギザな告白好きそうだなって…笑 影山くんの小説もぜひぜひ読んでくださいね^ ^ (2020年5月24日 22時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はるか | 作成日時:2020年5月3日 22時