儚げに。 ページ20
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「あ、(人1)サンや〜〜」
「お〜侑くん。なんや久しぶりに会うた感じするな」
「やってしばらくテストやったし」
「せやなあ。テスト大丈夫やったん？赤点とったら北の雷落ちるんちゃう？」
「あ〜〜もう終わったばっかなんでもうテストの話せんとってください！」
じわり、と私の首にも侑くんの首にも汗がにじむ。
時間の流れは人が思うよりも早いもので、
あっという間に7月になった。
インターハイまで1ヶ月を切った今、練習は今まで以上にハードになり、
休憩時間はもうヘロヘロやった。
そして、体育館は蒸し風呂みたいに暑いから少しでも涼しくなりたくて体育館を出て階段に腰掛けたところで、
きっと同じく練習がハードになっている、男バレの侑くんと会うたのだった。
「侑くんも休憩？」
「おん。今頭から水ジャバーッて被りたいんやけど蛇口こっち側の体育館廊下にしかないですやん？」
「せやね」
「てかホンマ7月でこの暑さとか頭イカれてません？あ〜〜しぬ…」
ジャバジャバと勢いよく水を被り髪をかき上げる侑くんは、
もうモデルになったら？って言いたいくらいにイケメンやった。水も滴るなんちゃら、ってやつ。
「何ですの、ジーッと見て。あ、俺に惚れたんやな？」
「惚れてはないけどアンタやっぱカッコいいな思うて」
「え〜じゃあ付き合います？」
「アンタのファンに刺される未来しか見えへんのでお断りします」
ドリンクボトルを握り締めたままそう言えば侑くんは、(人1)さんのいけず〜。とむくれて、
少し間隔を開けて隣に座った。
何も喋らず、ただセミの声だけが響き渡る。
侑くん？と言おうとしたのと、侑くんが口を開いたのはほぼ一緒やった気ぃする。
「…1個聞いてええですか」
「ん？」
「(人1)サンは、いつも何考えてプレーしとるんですか」
いつものヘラヘラとした感じは一切なく。
淡々と、空を見上げながら言葉をこぼす侑くん。
「えらいまた突然やな…うーん、ごめんあんま考えとらんかも」
「え〜」
「試合中アドレナリン出まくってて記憶曖昧やねんな…楽しいとかは覚えとるけど」
いい回答できんくてごめんな、と苦笑いして、
なんで急にそんなこと？と聞けば、
侑くんの視線は空から私にゆっくり移って。
「…試合の時のアンタの顔が、頭から離れんのですわ」
儚げに、笑った。
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ミカ(プロフ) - 本当にこの作品を読んでいる時間が最高でした！シリーズの中でこのお話が一番好きだなって思いました。花言葉で心情の変化をを表したりするところ、流石です!!!セリフ一つ一つに深い意味が込められていて素敵でした！あと、私も北信介って名前の響き好きです(笑) (2020年5月25日 21時) (
レス) id: ee1104400e (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 狐さん» ありがとうございます！語彙力！笑 嬉しいですありがとうございます^ ^ 出来たので是非読んでみてください〜！！ (2020年5月24日 23時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - しぃらさん» ありがとうございます！大丈夫ですか生きてください…！ふいに北さん花絶対似合う、って思ったら調べるのにめちゃ時間かかって後悔したんですけどね(・・;) 影山くんの小説もぜひぜひ！読んでくださいね！ (2020年5月24日 23時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - チベットさん» ありがとうございます！いや小説出すほどのレベルじゃないですまじで笑 実は名前にも意味があるんです、キタキツネの天敵は犬らしいので…^ ^ 影山くんの小説でも探してみてくださいね (2020年5月24日 22時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 虹華さん» コメントありがとうございます！最後の告白のところは実は書き始めたときからもう決めてました笑 意外とギザな告白好きそうだなって…笑 影山くんの小説もぜひぜひ読んでくださいね^ ^ (2020年5月24日 22時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるか
| 作成日時：2020年5月3日 22時
