好物頂上決戦【北 信介】

翌日、食堂にて。 ページ13

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「(人1)せんぱ〜い。待っとりましたよぉ〜？」

「…チッ」

「おっと。逃げようとしても無駄ですよ〜。はい、捕獲〜」

「ぎゃあ！角名くん離して…何コレ！？びくともせんのやけど！？

ちょおさきちゃん助け…あ！？おらへん！？」

「何1人でコントやっとるんですか、ウケる」

「やりたくてやっとるわけちゃうから！角名くん、もう逃げへんから離してや…」








翌日、食堂にて、私はまた3人に捕まってしまった。

いや、今日は3人じゃなくて4人やった。


誰やねん！と聞けば、

その子はちょっとビクッとして、銀島です…と言った。





一目で、4人の中で1番ええ子なんが分かった。

絶対巻き込まれとるだけやこれ。




とりあえず角名くんにホールド外してもらった。

私は笑顔の侑くんに向き直る。






「てかしつこない？私昨日断ったやんな？」

「やってやっぱり(人1)サンの力ないとそもそも表情すら変わらへんし」

「私の時も変わらへんからな？期待されても困るわ」

「変わっとりますって！なんで気付かへんのですかアンタ」









いや知らんし。

私は逃げた。


まだ話終わってへん！と追いかけてくる4人を無視して食券売り場に並ぼうとした時、



ドンッ、と誰かにぶつかった。









「あ、すみませ…ウワッ」

「すんませ…なんや、犬塚か」

「犬塚で悪かったな。てかアンタ最近ずっと食堂やな」

「ここの豆腐ハンバーグ、ホンマに美味いねん。お前も食うか？買うてやるで」

「はぁ！？何言っとんねんお前は！！」

「あ、せやった。食べれんのやったな…」

「何ちょっとわろとんねん！なあ！100%わざとやんか！」







北が堪えきれずに、ハハッと笑みをこぼす。

えー何やねんホンマ。意地悪なんかお茶目なんか分からんわ。

とりあえず北は食堂の豆腐ハンバーグに味をしめたらしい。







「…あ、練達は？」

「後で向かう言うてたからもう来るんちゃう」

「そっか」

「あ、犬塚、さっき言い忘れとったけど」








あ、北さんや！と後ろまで追いついてきた4人をチラリと見た後、









「昨日一緒に帰っとるときに見つけた、名前分からんけど可愛くて好き言うてた花、名前調べたで」

「は…」

「後で教えたるわ」








そこで練達が来て、北は笑って行ってしまった。


立ち尽くす私と、ニヤニヤして腕を掴む侑くん。









「せーんぱい、ゆっくり聞かせてな？」









…さきちゃんマジどこ行ったんや。

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