最悪で、幸せすぎる誕生日 ページ8
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・喧嘩 (大学3年生 (21)の2人の話)
今回ばっかりは流石に怒った。
息を思いっきり吸って、目の前の男を睨む。
「＿＿臣なんか、大ッッッッ嫌い！！」
冷たい風が、2人の中を抜けていく。
「……あっそ。勝手にしろよ」
小さく呟かれたそれは、私をどん底へと突き落とした。
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『うーわそんなこと言ったの？キャンパスのど真ん中で？』
「だって仕方ないじゃん…こもりん、私が悪いの？」
『いや俺は話聞くに100%佐久早が悪いと思う〜』
「でしょ…？」
電話をしながらアパートの階段をのぼる。
カチャリ、と鍵を回して部屋に入った。
『…にしても、誕生日なのにねぇ』
「…ホントに。あーもう泣いてる事にムカついてきた」
『しっかりしろって、誕生日おめでと』
「…ありがとう」
壁にかかったカレンダー。
赤で囲まれた、今日の日付。
…私の、21歳の誕生日。
毎年、私達のお互いの誕生日は部屋で小さく祝うのが暗黙のルールみたいになっていた。
下手くそな歌を歌って、クラッカーを1発鳴らして、
映画を見ながらカットされた小さいケーキを食べる。
もちろんプレゼントも忘れずに。
ありふれているけれど、ちっぽけだけれど、
私は臣と過ごす誕生日が心地良くて好きなのだ。
どこにも出かけなくていいから、部屋で幸せを噛みしめたかった。
今年の誕生日も、その予定だったのだ。
夜、(人1)のアパート。って臣も何日か前に言っていたのに。
「…今日、家行けないかも」
朝一番に会った時。
私を待っていたのは、おめでとう、ではなく、ごめん、だった。
耳元で幸せが崩れていく音がした。
苦しくなって、息が出来なくなった。
理由を問えば、「どうしても外せない用事が、」って。
「(…それは、私の誕生日を祝うことよりも大事なことなの)」
付き合って4年目。
幾度となく喧嘩してきた。
それはくだらないことだったり、結構真剣なことだったり。
気づけば仲直り、なんてのが大半だったけれど、
流石に今回は堪忍袋の尾が切れたのだった。
キャンパスのど真ん中で大嫌いと叫んで、
そのまま逃げるように家に戻ってきた。
臣は追いかけてこなかった。
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くまとも(プロフ) - 作者さんの表現、私は好きです。文学小説みたいに少し難しいですが、情景は浮かんでくるし言葉の表し方がすごい好きです。 (2022年4月9日 10時) (
レス) @page37 id: d164243b11 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - らいすさん» リクエストありがとうございます！了解しました！楽しみにしててください(^^) (2020年8月14日 23時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - smile0312さん» 嬉しいです！本当に素敵なリクエストありがとうございました(^^) またお願い致します！！ (2020年8月14日 23時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
らいす - 突然失礼します！宮治で喧嘩＆嫉妬編みたいです！よろしくお願いします！ (2020年8月13日 22時) (レス) id: 353c3ad3a3 (このIDを非表示/違反報告)
smile0312(プロフ) - 早速リク消化ありがとうございました！！ニヤケながら読ませていただきました！またなにか思いついたらリクエストさせていただきます！ごちそうさまでした (2020年8月13日 5時) (レス) id: 5bb02e7866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるか
| 作成日時：2020年7月22日 18時
