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「終わったァ〜…あっつ、」
「お疲れ。わ、だいぶ片付いたね」
「そりゃあ私ですから！」
「暑いからアイス買いに行かない？」
「サラッとスルーすんのやめてよ。買いに行くけど」
あらかた綺麗になったのは、陽がおちた頃。
部屋や生活空間は見違えるほどに姿をかえた。
少しずつ暗くなる空と、それに反するように明るく綺麗な部屋に目をやってから、
財布と携帯を掴んで玄関に向かう京治の背を追った。
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じゃり、じゃり、とサンダルが砂を噛む音が静かな道に響いて、暑さと相まってどこかに溶ける。
左手にアイス、右手は京治と指を絡ませて。
何でもなく、他愛なく。ゆっくり歩いて、この時間を堪能している。
「へへ、なんかこうして手繋いで外歩くのも久しぶりな気する」
「…まあ、お互い仕事忙しかったしね」
「本当にね、」
「…ごめん。寂しかった？」
そんなことないよ、って言う言葉は、
繋がれた京治の手の力が少し強くなった驚きから一瞬だけ消えた。
大手の出版社、週刊少年漫画誌の編集者になった京治と、
グラフィックデザイナーとして奮闘する私。
きっと京治も私も仕事が忙しい、なんて言い訳にしたくない。
けれど、言い訳にせざるを得ないくらい、仕方のないこともあるのだ。
落ち着いて、私はやっぱり首を横に振った。
「寂しい、なんて可愛いこと言えたらいいけど私も忙しかったし仕方ないかなって」
「そう…？」
「うん。それにね、
…忙しさを理由にして、こうしてゆっくり歩いたり肌に触れたりなんて出来なくても、
くだらないこととか、おはようおやすみの挨拶とか、そういうのを毎日言い合えるほうが、いいから」
隣にいる、って。
側にいる、って、幸せだ。
どうでもいい会話も、
温もりを分かち合うことも。
何だって、出来るのだから。
「……(人1)、」
「あ、見てみて京治、猫！」
京治の言葉を遮って食べ終えたアイスの棒を噛みながら指をさせば、
公園の入り口、猫が寝そべっていた。
甲高い鳴き声が聞こえて、周りには子猫がいた。
「可愛い〜！家族だ…！あの時の猫ちゃんも元気かなあ、」
「(人1)、」
「なに？」
猫を撫でようとしゃがんで、
手を繋いでるから自然に一緒にしゃがむ京治の、瞳の奥、閃光に捕まれた。
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「＿＿＿結婚しようよ、俺と」
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くまとも(プロフ) - 作者さんの表現、私は好きです。文学小説みたいに少し難しいですが、情景は浮かんでくるし言葉の表し方がすごい好きです。 (2022年4月9日 10時) (
レス) @page37 id: d164243b11 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - らいすさん» リクエストありがとうございます！了解しました！楽しみにしててください(^^) (2020年8月14日 23時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - smile0312さん» 嬉しいです！本当に素敵なリクエストありがとうございました(^^) またお願い致します！！ (2020年8月14日 23時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
らいす - 突然失礼します！宮治で喧嘩＆嫉妬編みたいです！よろしくお願いします！ (2020年8月13日 22時) (レス) id: 353c3ad3a3 (このIDを非表示/違反報告)
smile0312(プロフ) - 早速リク消化ありがとうございました！！ニヤケながら読ませていただきました！またなにか思いついたらリクエストさせていただきます！ごちそうさまでした (2020年8月13日 5時) (レス) id: 5bb02e7866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるか
| 作成日時：2020年7月22日 18時
