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佐久早side
「…おい、(人1)」
「…なに、？」
「なに？じゃなくて…」
「…いいじゃん、休憩中だし、ちょっとくらい」
放課後の部活中。休憩の15分。
壁にもたれかかって座る俺の隣、ボール1個分くらいあけて(人1)が座る。
もっと近寄ってもいいのに、と思うけれどきっとコイツの気遣い。ふんわり笑って、あのね、と話し始める(人1)は、優しくて、甘くて、今日も可愛い。
絶対言わないけど。
そうこうしていたら、突然(人1)が俺の左手をとる。
驚いてとられた手を見れば、小さな手を俺の手と比べてサイズの違いに感動していた。
「…手、でっかいね」
「…そりゃあ片手でボール掴めるし、お子様なお前とは違うからな」
「は？ちょっとムカついた…私もボール片手で掴めるようになろ」
「…何億光年先の話してんの？」
「残念！一年後までには掴めるようになるから」
「無理だろ」
「ひっど」
あはは、とどこか乾いた声で笑って、眉毛が少し下がる。
すり、と指同士が絡まって、甘くて、切なくなる。
「(……ホント、可愛い奴)」
まるで手を介して、(人1)の胸の内が伝わってくるみたいだった。
不安で仕方なくて、でも嫌われたくなくて。それが、醜いとか思ってんだろうな。
「(…そんなの、俺も、同じだ)」
「…臣、」
「なに」
「…こもりんが好きとか言ったら、どう、する…？」
「嘘だって分かってるからどうもしない」
「ですよねー…」
それでも、触れる(人1)の熱が逃げぬよう、
ぎゅっと、握りしめる。
素直、というものを考えて。
俺は明日を呪いながら(人1)の頬を軽くつまんだ。
「…お前が不安になるなら、言うけど」
「…なに、を？」
「キモいとか言うなよ」
「…多分言わない、」
どこか期待した目で俺を見て、離さない。
その眩しさに観念して、小さな声で、本心を。
「…俺は、お前が思うよりも、ずっと嫉妬深いし」
「え、」
「…可愛い、とかも、毎日思ってるから」
「う、うそ…」
「ホント」
わたわたと急に慌て出す(人1)は、自分がやっぱりおかしいんじゃないかと思うくらい可愛くて、
そして、やっぱり意地悪したくなる。
「(人1)、」
「あ、やだ…っ、耳元で喋るな、っ」
「顔まっか」
「〜〜っ、うるさい、臣の意地悪ッ」
「好きなくせに」
きっと、嫉妬は、
＿＿甘くて、適度に摂取したくなるもの。
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くまとも(プロフ) - 作者さんの表現、私は好きです。文学小説みたいに少し難しいですが、情景は浮かんでくるし言葉の表し方がすごい好きです。 (2022年4月9日 10時) (
レス) @page37 id: d164243b11 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - らいすさん» リクエストありがとうございます！了解しました！楽しみにしててください(^^) (2020年8月14日 23時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - smile0312さん» 嬉しいです！本当に素敵なリクエストありがとうございました(^^) またお願い致します！！ (2020年8月14日 23時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
らいす - 突然失礼します！宮治で喧嘩＆嫉妬編みたいです！よろしくお願いします！ (2020年8月13日 22時) (レス) id: 353c3ad3a3 (このIDを非表示/違反報告)
smile0312(プロフ) - 早速リク消化ありがとうございました！！ニヤケながら読ませていただきました！またなにか思いついたらリクエストさせていただきます！ごちそうさまでした (2020年8月13日 5時) (レス) id: 5bb02e7866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるか
| 作成日時：2020年7月22日 18時
