席替えタイム。 ページ28
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「フンフンフ〜〜ン♬」
「気持ち悪いくらいにご機嫌だね」
「余計な一言混じってない?手にシャーペン刺していいかな」
「自分の手ってこと?自虐?ご勝手にどうぞ」
「おまえのことだ赤葦!!!」
朝からご機嫌だった私をかき乱してきたのはやっぱり赤葦だった。ていうか赤葦しかいない。
シャーペンは赤葦が華麗によけたので変なところに飛んで行っただけだった。くそ。
「で?ご機嫌の理由は?」
「そうだった!赤葦よ、朝イライラするのも今日で最後!!
朝のSHRで席替えするって昨日先生に言われた!」
「…そう」
「あれ?赤葦乗り気じゃないの?」
「うん。(人1)の面白おかしい場面を逐一目撃できなくなるのがかなしい」
「ねえ赤葦って実は死に急いでたりするの?」
ツッコむのも疲れた。
まあいい。もうSHRの時間だ。
毎日前の席で悪口を言われ、顔をつねられ。
やっとそんな日々ともおさらばだ…!
くじ引きの順が回ってきて、
祈りながら箱に手を入れる。
「(赤葦とは離れますように…)」
.
「…斜め前かよ!!!」
「これはこれは。もう運命だね」
「運命にしてたまるかばか!!
くそ、離れられると思ったのにぃ〜……」
結局私は1番後ろの席という最良の場所を引き当てたものの、赤葦が右斜め前にきてしまった。
せっかく離れられるチャンスだったのに、
結局前とそんな変わらない結果になってしまった。
ああ赤葦の顔むかつく。
ぶん殴ってもいいかな!!
「あ、俺の後ろ兎川じゃん」
「佐藤くんじゃん!よろしく〜」
「隣赤葦で後ろ兎川とかやばい予感しかないんだけど!とりあえずよろしく〜
赤葦はたまに勉強教えて!」
「別にいいよ」
「やった〜よろしく!」
佐藤くんは私の方を向いて、
喋れる人近くにいてよかったわ〜と安心したように笑った。
「そういや兎川も頭良かったよね」
「え、そう?でも悔しいけど赤葦には負けるよ」
「赤葦まじでなんでも出来るもんなぁ…」
「…セッターの話?」
「そうなんだよね…絶対追いついてやるけど!」
チラ、と赤葦を見れば、
赤葦の右隣の女子が赤葦にお願い事をしていた。
「(あ、勉強見てもらうのか)」
2人が肩を寄せ合って、楽しそうに会話をしていた。
「(…あれ、)」
「兎川、どうした?」
「あ、ごめん何でもないよ」
___今、胸のあたりが騒ついた気がした。
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桜(プロフ) - ごめんなさいちょっと尊い… (2022年4月7日 7時) (レス) @page8 id: 7d2166206e (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - 泣きました!本当にこのお話好きです...!赤葦最高ですっ...赤葦万歳...お疲れ様でした! (2021年2月28日 8時) (レス) id: ebdd1925d4 (このIDを非表示/違反報告)
ピ(プロフ) - 赤葦推しの私死亡、、、 (2021年1月5日 16時) (レス) id: 324728c5bd (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐 - よしこういう時は円周率だ、からめっちゃ吹きました!頑張ってください!! (2020年7月4日 9時) (レス) id: d74ccecfb0 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - vさん» お返事遅くなりすみません(泣)コメントありがとうございます!そう言ってもらえてとっても嬉しいです!これからもよろしくお願いします!! (2020年3月6日 0時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はるか | 作成日時:2020年2月16日 19時