水もしたたり大ピンチ。 ページ14
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「っ…！ゲホッ、」
「ひっ冷たっ…！？」
未だなお水しぶきをあげる蛇口。
私も赤葦も、とっさに水道から距離をとる。
「…本当に水浸しなっちゃったね赤葦クン」
「俺そこまでぬれてないけど？兎川のほうがモロかぶったんじゃない」
「ぐぬぬ、言われてみれば…」
ぬれている部分が赤葦は上半身のみに対し、
私はてっぺんからつま先までほぼアウトだった。
「なんで！」
「さあね。蛇口はそっちに少し傾いてたしあとは反応速度じゃない」
「ほぼわかってんじゃん！あー…服はりついて気持ちわる…」
試しに制服のすそを持ち上げて絞ってみる。
うわ、結構水出てくるやっぱ気持ちわる。
「ちょっと」
「なに？」
「いやこっちが聞きたいんだけど何してんの」
「いや見りゃわかるでしょ」
「そうじゃなくて下のシャツは」
「下着まで浸透してるから制服とシャツと一緒に絞ってる」
はあ…ほんと、って赤葦は頭をおさえて、
ちょっと待っててと体育館に一旦消えた。
そして、手にバスタオルとジャージの上着を持ってきたと思ったら、
私の手をつかんで歩き出した。
「えっ、ど、こいくの！」
「部室。黙って来て」
グイグイと、私の歩幅のことなんか気にも留めずに、
ひたすら部室に向かって手を引き続ける。
「ここ。入って」
「はい…おじゃまし、イダッ！？」
部室に足を踏み入れた途端、
背中を思いっきり押されてよろける。
「イッタ…ちょっと赤葦、何す」
「…兎川ってさ、天然なの？」
カチャリ。
赤葦か後ろ手で鍵を閉めた音がした。
「なに、言って…」
「フツー17歳にもなって男の前でおへそ見せる？」
「え、ちょ、っ」
「気付いてる？下着も透けてるけど」
「っ！」
制服へと伸びてきた赤葦の手を払いのけ、
とっさに下着が赤葦に見えないよう隠す。
逃げなきゃ。
「逃げようと思ってる？」
「！」
「まあ兎川はそうだよね。
…いいよ、逃げれるものなら、ね」
「いっ…！」
瞬きする間もなく赤葦に腕をつかまれ
ロッカーに押しつけられる。
「赤葦っ、やだ、離し、て！」
「なんで？いい顔してるよ」
「怖いっ、目、やだっ」
「俺そんな怖い目つきしてないけど」
嘘だ。
いつもの目ではない。
絶対に獲物は逃がさないという、
猛禽類のような目だ＿＿
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桜(プロフ) - ごめんなさいちょっと尊い… (2022年4月7日 7時) (
レス) @page8 id: 7d2166206e (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - 泣きました！本当にこのお話好きです...！赤葦最高ですっ...赤葦万歳...お疲れ様でした！ (2021年2月28日 8時) (レス) id: ebdd1925d4 (このIDを非表示/違反報告)
ピ(プロフ) - 赤葦推しの私死亡、、、 (2021年1月5日 16時) (レス) id: 324728c5bd (このIDを非表示/違反報告)
杏仁豆腐 - よしこういう時は円周率だ、からめっちゃ吹きました！頑張ってください！！ (2020年7月4日 9時) (レス) id: d74ccecfb0 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - vさん» お返事遅くなりすみません（泣）コメントありがとうございます！そう言ってもらえてとっても嬉しいです！これからもよろしくお願いします！！ (2020年3月6日 0時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるか
| 作成日時：2020年2月16日 19時
