愛した罪 (ページ8)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:1,286 hit

. ８ページ8

.

組み敷かれて直後に感じるのは、
首筋に歯を立てられる痛み。

『いっ…、玲於、痛いやめて！』

玲於「俺に嘘ついてまで亜嵐くんと
何してたんだよ」

『……っ、何も……』

玲於「言えって！！」

掴まれた腕と噛まれた首筋が痛い。

首筋にはきっと跡が残ってるだろう。

泣きそうになるのを必死でこらえ、
玲於の目を見上げる。

『亜嵐くんとは、何もない。ほんとだよ。
ご飯一緒に行っただけ』

玲於「………」

『嘘、ついたのは……
玲於に余計な心配、かけたくなかったから。

でも玲於が疑うようなことは何もないの。
亜嵐くんは、ただの友達』

玲於「……ほんと？」

こくり、と頷くと、玲於の瞳は元の
柔らかい優しい目に戻った。

腕の力が緩められる。

玲於「……Aが、亜嵐くんに
取られるんじゃないかって思った」

『……そんなことない』

玲於「…、だよな。
ごめんな、痛かったろ」

ちゅ、とキスを落とされた。

目の上、頬、唇。

優しいいつもの玲於だ。

だけど…1度抱いた恐怖心は、
なかなか消えてはくれなかった。

首筋に残る赤い跡のように。