愛した罪 (ページ4)

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佐野玲於side

今日はダンスのリハーサルが
早めに終わったから、いつもより格段に
早く帰れることになった。

名前もうろ覚えの女から今日の夜も
誘われていたが、なんか今日はそんな気分じゃ
なくてまっすぐ家に帰ることにする。

酔った勢いで、ストレス発散で、

そんな理由で過ちを犯してきたけど
本当に大切なのはAだけ。

大事にしたいと思う気持ちと
俺のそばに置いておきたいと思う気持ちが
矛盾していつからかAを束縛する
形になってしまった。

こんなに最低なのに、
俺から離れていってほしくないなんて
自分勝手すぎるよな。

大切すぎて、汚したくなくて、
時々どうしていいかわからなくなるんだ。

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マンションに着き、鍵を開けて部屋に入った。

いつもならおかえり、とぱたぱたと
走ってくる足音が、しんとしたまま。

玲於「……？」

リビングに行くと、明かりはついておらず
当然のようにAはそこにいなかった。

出かけてんのかな？

なんも聞いてないけど…まあ、俺もいつも
帰るの遅かったし。

今までAをあんな時間まで
1人にしていたことに今さらながら胸が痛む。

テレビを見たりしながらAを待つが、
なかなか帰ってくる気配がない。

腹減ったな…

もちろん自炊なんかできず、
まともに食べれるものといえば
買い置きしていたカップ麺くらいしかない。

自分でお湯を沸かして
カップ麺を食べていたけど、

…まず。

食いたくない。

すっかりAの作るご飯の味に
慣れてしまった。

食べる気がせず箸を置いてAを待つ。