サイレントマジョリティー

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美勇人のクラスに忘れ物を取りに行ったら、Aちゃんがほっぺに湿布を貼って席に座っているのが見えた。


俺は美勇人を呼んで事情を聞くことにした


美勇人は「弟の野球のボールが当たった」って言ってたけど


軟球であそこまで腫れるのってどんだけ………？


いくらAちゃんの弟がすごくてもあんなに腫れないんじゃないかな………姉ちゃんに対して本気で投げるわけないし。


ってことは………


殴られた？


その事を美勇人に言うと驚かれた


えっ、そうなの？ってことより、よく気づいたな、って感じの驚きだな……


美勇人も気付いてるのかな？


「みゅーと、Aちゃん呼んで」


森田 「おう」


Aー！と美勇人がでかい声で呼ぶと、那須さんは急ぎ足で来てくれた


『なに？森田』


森田 「しめが…」


『七五三掛くん、どうしたの？』


「………そのほっぺ、誰に殴られたの」


那須さんは驚いた表情だ。気付かれると思わなかったのだろう


『………お父さん』


「大丈夫………じゃ、ないよね、そんなに腫れてるんだもんね……」


森田 「………あ」


『？』


「どしたの？」


森田 「如恵留の親ってたしか医者だったよな？診てもらえば？」


『忙しいのに無理でしょ』


「…でも、それ診て貰った方がいいよ」


『………大丈夫、慣れてるから』


「慣れちゃダメだよ！Aちゃん女子なんだから！」


大声を出した俺に、美勇人とAちゃんは驚いていた。


まぁ、いっつも大声とか出したり、そもそも意見とかあんまり言う方じゃないもんなぁ。


でもこればっかりは人の意見に任せられないと思う。

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