悪女でなにが悪いの

悪女　27 ページ30

あ「…ん」


目を覚ますと白い天井


体を起こすもだるくてまた横になってしまった


カーテンがシャーっと開いた


HR「起きたか？」


あ「HIROさん…」


HR「過呼吸になって倒れたらしいな」


あぁ…


そうだった


あ「みたいですね」


HR「もうちょっと考えろ。そんなに動いても上達はしないし誰も喜ばない」


誰も喜ばない?


あ「なに言ってるの？元々喜んでくれる人なんていないしｗ」


HR「…そんな事言うな」


あ「ホントの事だしｗ…もう１人もいない…」


HR「…お前は」


あ「HIROさん。」


HR「…なんだ」


あ「私、茉那の所に行きたい」


HR「バカな事言うな」


あ「バカな事じゃない。そのままほっといてくれれば死ねたのに…」


バシンッ


右頬に痛みが走った


HR「いい加減にしろ」


低い声…


怒ってる


あ「痛いなぁ…でもねHIROさん。生きてるだけが幸せじゃない人もいるんだよ」


HR「・・・。」


あ「必要じゃない子として生まれて、嫌われ事ばっかして…生きる唯一の理由さえなくなってしまった…」


HR「そんなこｔ」


あ「HIROさん、私ねEXILE、E-girls、GENERATIONS…LDHが嫌いだよ」


HR「・・・。」


何も言わずに黙って聞いているHIROさん。


あ「あの日…もしLIVEがなかったら茉那に会えたかもしれない…一瞬でも…もしかしたら声を聞けたかもしれない…。LDHがなかったら私はここにいる必要はなかったかもしれないのに…」



茉那のために歌った


茉那のために踊った


茉那のためにどんな過酷なトレーニングでもこなした


最高のパフォーマンスを見せるためにやってきたこと…でもそれを１番に見てほしかった人はもういない…


あ「HIROさんにはわかる？この気持ちが」


HR「・・・。」


あ「生きる全てだった人がいなくなって…どこに向かって、どこを歩いているかもわからないこの恐怖が…」


HR「A…」


あ「こんな苦しいなら…大切なものなんて要らない…っ」


ギュッ


HR「もういい…もういいから…」


あぁ…こんなにも温かい


でもその温かさまで私を狂わせてしまいそう…

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