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挙げ句の果てには、大の仲良しであるはずの前田くんと毛利くんの言い合いまで始まってしまって、居た堪れなかった。
信長は、輪から外れて窓枠にもたれかかり、じっと下を向いている。
私が兄に頼めば、兄は徳川くんへの復讐を諦めてくれるだろうか。
受験に合格して、一人暮らしを始めてからというもの、兄とは一切の連絡を絶っている。
もちろん会ってもいない。
最初の方こそ電話やメールも来ていたが、無視し続けたらそれもすっかり途絶えてしまった。
そんな、血が繋がっているだけで他人も同然の妹の言うことを聞いてくれるような人間がいるだろうか。
いくら兄の言うことに納得がいかなかったからと言って、ほぼ一方的に私が悪い手前、今更兄に頼み事をするのも気が引けた。
それならペリーさんたちと交渉した方が早いかもしれない。
彼らは私と兄の仲を知らないから、妹だと言えば話を聞いてくれる可能性はある。
そんなことを考えていると、黒田くんが私たちを呼びにきた。
信長とみやちゃんと一緒に和室で黒田くんと向かい合う。
「時に信長、この戦況、どう読む？」
「始皇帝という、あの男。家康の攻撃を避けると同時に、武田との戦いで奴が負傷した足を攻撃していた」
あのとき、私が立っていた角度からは見えなかったけれど、徳川くんは手刀を喰らっていたらしい。
それを感じさせなかった徳川くんも凄いし、見抜いた信長も観察眼が鋭すぎる。
「奴は武田との戦いを見ていない。家康の立ち姿を見て、咄嗟に弱点を突いたのだ」
「あの僅かな間に」
「無論、家康もそのことに気づいてる。奴らの力、侮れん」
信長の言葉を一通り聞いた黒田くんが口を開いた。
「洋々として、大洋を充たし、発しては、蒸気となり、雲となり、雨となり、雪と変じ、あられと化し、擬しては、玲瓏たる鏡となりたえるも、」
「その性を失はざるは水なり」
『え』
黒田くんが息継ぎをしたタイミングでみやちゃんまでもが泥棒に走った。
まあ、思わず口をついて出ちゃっただけだろうけど。
「全部自分で言いたかった」
「失礼しました…！」
秀吉くんにするみたいに怒りはしなかったけど、さすがにショックそうな黒田くん。
みやちゃんは綺麗に頭を下げた。
「どういう意味だ」
信長の質問に黒田くんが顔を正す。
「変化には柔軟に対応できなければいけない。あらゆるものに姿を変える水のように」
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美優(プロフ) - 有紀さん» 初めまして！コメントありがとうございます☺️私も最近続きを書きたい欲が出てきました！気長にお待ちいただければ嬉しいです！ (4月14日 14時) (
レス) @page31 id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
有紀(プロフ) - 初めまして、このドラマが好きで読ませていただきました。続き楽しみにしてます。 (3月29日 18時) (レス) id: 1322499c70 (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - ななさん» お久しぶりです！嬉しいです✨ (3月22日 15時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
なな - TVerで配信開始されたので懐かしくなりまた読みにきちゃいました。 (3月6日 23時) (レス) id: 114e35bcaa (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - らんさん» ありがとうございます！最近は更新できていませんが、読んでくださる方がいると思うと嬉しいです😊 (2023年4月15日 18時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう | 作成日時：2022年8月30日 10時
