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道が混んでいるようで、前にも後ろにも車がいる。
男は焦っているのか、脂汗が首元に浮かんでいた。
青信号になって、前の車が動き出したタイミング。
助手席の窓に青い服が閃いた。
と思うが早いか、車の前に信長と伊達くんが飛び出した。
さすがの男も、アクセルを踏めないようだ。
「信長くん、伊達くん…」
信長がこちらに目をやると、一瞬眉を顰めた気がした。
「お願いです、もう出してください」
『せめて後ろの彼女だけでも解放してください。人質なんて一人いれば充分でしょ？』
「Aちゃん！」
「…」
少し考え込んだ男は、何を思ったか突然車をバックさせた。
衝撃で背もたれに思い切りぶつかる。
男は信長たちと反対方向に車を切り返した。
「ああああー！！！」
『え、』
車の後ろに立っていたらしい草薙さんが、なぜかボンネットに乗り上げた。
猛スピードで走る車にしがみつく草薙さん。
男も私も、当然のことながら草薙さんで前が見えない。
いつ何にぶつかるかわからない状況が怖すぎて声も出なかった。
「やだやだやだやだ！！！」
草薙さんの叫ぶ声だけが振動として伝わってくる。
「なんなんだよ！」
「草薙様…」
「邪魔だくそっ！」
途中で飛んできたビニール袋が草薙さんの顔に貼りついた。
余計に視界が悪くなり、車が蛇行を始める。
「ああくそっ！落ちろ！」
男も耐えきれなくなったのか、草薙さんをどうにか振り落とそうと、車を故意に左右に揺らし始めた。
『きもちわる…』
「もうおやめください！」
「黙れ！」
酔いそうで気分が悪くなった視界に、ワイパーで顔を擦られる草薙さんが見えた。
なよなよしているように見えて(失礼)、草薙さんも意外と根性があったらしい。
命がかかっているというのもあるけど、必死にしがみついている草薙さんに場違いながら感心してしまった。
「もう止まってください！」
「黙れ！！！…もう知らねえぞ！」
と、男は突然車をUターンさせた。
それでも落ちない草薙さん。
「草薙様…！」
繰り返される蛇行運転やUターンで酔いまくった私はもうヘトヘトだった。
そのとき、私たちに追随して一台の車が横についた。
社長さんの運転するワゴンに、信長と伊達くんも乗っている。
『のぶなが…』
信長はボンネットの草薙さんに何か話しているようだった。
そして、何を吹き込まれたのか草薙さんが叫ぶ。
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美優(プロフ) - 有紀さん» 初めまして！コメントありがとうございます☺️私も最近続きを書きたい欲が出てきました！気長にお待ちいただければ嬉しいです！ (4月14日 14時) (
レス) @page31 id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
有紀(プロフ) - 初めまして、このドラマが好きで読ませていただきました。続き楽しみにしてます。 (3月29日 18時) (レス) id: 1322499c70 (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - ななさん» お久しぶりです！嬉しいです✨ (3月22日 15時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
なな - TVerで配信開始されたので懐かしくなりまた読みにきちゃいました。 (3月6日 23時) (レス) id: 114e35bcaa (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - らんさん» ありがとうございます！最近は更新できていませんが、読んでくださる方がいると思うと嬉しいです😊 (2023年4月15日 18時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう | 作成日時：2022年8月30日 10時
