． ページ17
「信長たちですが、北町の倉庫に移り、そこに陣を張ったとの情報が」
「陣を移したか…。始皇帝！今すぐ倉庫に向かい信長どもを潰せ！」
始皇帝さんが黒百合高校の生徒を連れて、すぐに出ていった。
「目に物見せてくれる…！」
本当に信長たちは倉庫に陣を張ったんだろうか？
団結が強まっている彼らに限って、情報を漏らすような人もいないし…。
始皇帝さんを誘き寄せる囮のような気もするけど、絶対に倉庫にいないという確証もない。
どうか無事でありますように、願った。
─────────────────────────
しばらくして、兄に電話がかかってきた。
始皇帝さんの集団かららしい。
「はったりだった！？」
やっぱり。
ほっと胸を撫で下ろす。
「謀多きは勝ち、少なきは負ける」
『毛利くん？』
「そう。毛利元就が言った言葉とも言われています」
「うるせぇー！！！」
嘘の情報を流したのは毛利くんだったのか。
─毛利元就は、厳島の戦いにおいて、嘘の情報を流し、敵方の大群を誘き寄せ、一網打尽にしたと言われる。
それぞれが得意分野を活かして戦ってくれているっていうわけね。
だとしたら、倉庫で始皇帝さんの相手をしているのは武田くんや上杉くん辺りだろうか。
ジャンヌさんが慌てたように教会を出ていった。
ジャンヌさんも、女の子と言えどかなり喧嘩は強いはず。
武田くんと上杉くんが始皇帝さんの相手をしているとすれば、ジャンヌさんの相手をするのは…伊達くん？
井伊くんたちは人数が多いから三将以外の生徒を蹴散らしていると読む。
また兄に着信があった。
「くっそ、何を手こずってんだよさっさと捻り潰せ！」
良くない連絡だったようだ。
焦りを滲ませた兄は、ペリーさんに詰め寄った。
「信長が来るぞ、大丈夫なんだろうな？」
『信長が…』
信長たちの作戦は上手く進行しているらしい。
「問題ない」
ペリーさんが指を鳴らすと、ジャージの生徒たちが走ってきて綺麗に整列した。
兄はその様子に少し驚いたようだ。
そんな行動の端に、兄が喧嘩に慣れていない様が現れていて、どこか喜んでいる自分がいる。
前みたいに、優しい兄に戻ってほしい。
「…定めからは逃れられない」
だんまりを決め込む徳川くんを見て、みやちゃんが口を開いた。
「確かに、そうかもしれません。でもそれが運命か否か、そんなのは結局後付けの話」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 503人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美優(プロフ) - 有紀さん» 初めまして！コメントありがとうございます☺️私も最近続きを書きたい欲が出てきました！気長にお待ちいただければ嬉しいです！ (4月14日 14時) (
レス) @page31 id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
有紀(プロフ) - 初めまして、このドラマが好きで読ませていただきました。続き楽しみにしてます。 (3月29日 18時) (レス) id: 1322499c70 (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - ななさん» お久しぶりです！嬉しいです✨ (3月22日 15時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
なな - TVerで配信開始されたので懐かしくなりまた読みにきちゃいました。 (3月6日 23時) (レス) id: 114e35bcaa (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - らんさん» ありがとうございます！最近は更新できていませんが、読んでくださる方がいると思うと嬉しいです😊 (2023年4月15日 18時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆう | 作成日時：2022年8月30日 10時
