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井伊くんと上杉くんの間に、信長の扇子が挟まっていた。
信長が扇子を回収して、二人の手を叩く。
そして、強引に両者の手を取ると、そのまま握手させた。
「手を取りあえ！」
すぐに離そうとする二人だけど、信長の力が強くて離れないらしい。
「手を取り合って、そっからどうすんねん？」
「そこからは…貴様らが考えるのだ」
「は！？」
「エンドレス！！！」
結局、具体的なことは何も言わない信長に、みんなも呆れている。
けれど、みんなだってそんな急に策を出せと言われても無理だと思う。
ちょっとでも意思表示をして行動に移した信長はまだ偉い方ではないだろうか。
と心の中で言っておく。
「手を取りあえと言ったな！」
ドアにもたれかかって事の顛末を眺めていた黒田くんが声を上げた。
「一つ策が浮かんだ」
「黒田くん？」
ニヤリと笑った黒田くんは、教卓の前に立ち、みんなを座らせた。
信長が二人分の椅子を持って来てくれたので、ありがたく一番前に座る。
「家康に勝つためには、家康からの指名を受けることが絶対条件」
「どういうことでしょう？」
「たとえば、秀吉が“家康を倒す”の旗印を上げる。そうすると、秀吉は絶対に勝たねばいけない。なぜなら、負ければ旗印戦に参加する権利を奪われる。このクラスで、その権利を失ったのは、加藤だけ」
「そうくさ」
振り向くと、今までどこにいたのか、加藤くんが入ってきた。
みんなの視線が加藤くんに向く。
加藤くんを倒した張本人である秀吉くんは少し気まずそうだ。
「そぎゃん顔ばすんな。この加藤清正に勝った男が」
「うるさいねん！俺に負けた奴が、一丁前の口聞くな！」
「それでよかくさ」
加藤くんと秀吉くんが仲悪くなったりしないでよかった。
「とにかく、旗印を掲げた方が圧倒的に不利だ。だから、家康に、誰かを指名した旗印を上げさせて、それに我々が勝つ。そうすれば、家康の権利も剥奪できる」
「でも今は無差別攻撃。どうやって指名を？」
「簡単なことさ。ポイントで家康を上回ればいい」
「はぁ？馬鹿かてめえは」
得意気に作戦を語る黒田くんに、井伊くんが噛み付いた。
「は？」
「家康は今、208ポイントあんだぞ？やすやすと越えれるわけない、」
「越えれるんだよバーカ。その鍵を握るのが」
黒田くんが肩を叩いたのは、秀吉くんだった。
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美優(プロフ) - Ａ？さん» コメントありがとうございます！前田くんと絡めるように頑張ります！ (2022年8月26日 10時) (
レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
Ａ？ - 凄く面白いです前田との絡みが欲しいです (2022年8月25日 15時) (レス) @page35 id: 463b37ca19 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - いつも楽しく拝読しております！秀吉ともっと絡ませてほしいです！！！ (2022年8月25日 14時) (レス) @page35 id: a89c13a921 (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - すずさん» ありがとうございます！ (2022年8月23日 19時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 応援してます!! (2022年8月19日 18時) (レス) @page13 id: c8c40d0f19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう | 作成日時：2022年8月10日 0時
