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『てか信長、結局ずっとここに居たのね』
井伊くんは、大切な本多くんたちを守るために徳川くん側についたらしい。
負け役になった本多くんたちが負ければ、本多くんたちは旗印戦への参加資格を失う。
その代わり、徳川くんが銀杏高校のトップになったとき、旗印戦から関係なくなった本多くんたちが危険な目に遭うこともなくなる。
だから、仲間を守るためにはこうするしかなかった、と。
「こいつは、信長は、最後まで自分の手で扉を開けようとしなかった。待っててくれたんだ、俺の考えが変わるのを」
「井伊…」
「俺に、人を束ねる才があるかどうか、それはまだわからん。だから、共に戦う仲間を、信じるだけだ」
信長がゆっくりと私たちを見る。
「信じたもん勝ち、だったか？」
『信長…』
私の目の前に立ち、微笑んだ信長。
その顔は、少し晴れやかだった。
『待って、何その傷』
「蝶野、それは俺が」
近くで信長の顔をよく見ると、唇の端が切れて血が出ている。
ホールの中で話をしたときに、井伊くんが一発やったらしい。
『教室戻ったらまず手当てだからね』
信長がふっと笑った。
「聞いちゃいられねえぜ！！」
廊下の向こう側から、大勢の生徒を引き連れた今川くんと真田くんがやってきた。
「今川、真田？」
「なんだよそいつら」
酒井くんと榊原くんが応じる。
「お前たちの負けはもう決まってんだよ！」
信長や伊達くんたちも続いて向かっていった。
「A、みやび下がってろ」
『行こ、みやちゃん』
別に私だってちょっとは喧嘩できるしここで隠れるのは癪だったけど、みやちゃんに怪我をさせては元も子もないと思って大人しく引き下がった。
《残り、3分》
魔村さんのアナウンスをきっかけに、後ろからも足音が聞こえた。
今川くんたちは、信長たちの背後にも味方を用意していたらしい。
「やっちまえー！！！！」
「「「「「しゃあーーーーっ！！！！」」」」」
走り出す今川くん勢。
「行けーーーーっ！！！」
みやちゃんの掛け声に、信長たちも走り出した。
これはまるで、
『桶狭間の戦い…』
─時は、永禄3年。
当時、27歳だった若武者が、尾張国桶狭間にて、僅か三千の手勢で、二万五千もの今川義元勢を打ち破り、その名を轟かせた。
その武将の名は、織田信長。
『みやちゃんごめん、やっぱ私行ってくる！』
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美優(プロフ) - Ａ？さん» コメントありがとうございます！前田くんと絡めるように頑張ります！ (2022年8月26日 10時) (
レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
Ａ？ - 凄く面白いです前田との絡みが欲しいです (2022年8月25日 15時) (レス) @page35 id: 463b37ca19 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - いつも楽しく拝読しております！秀吉ともっと絡ませてほしいです！！！ (2022年8月25日 14時) (レス) @page35 id: a89c13a921 (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - すずさん» ありがとうございます！ (2022年8月23日 19時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 応援してます!! (2022年8月19日 18時) (レス) @page13 id: c8c40d0f19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう | 作成日時：2022年8月10日 0時
