． ページ29
それに、最近はクラスをまとめる方法を考えすぎて、あまり眠れていなかっただろうし。
信長を起こさないように細心の注意を払って丁寧に掃除を終わらせた私は、何事もなかったように音楽ホールを出た。
信長のことだし作戦が始まるまでには戻ってくるだろう。
「いよいよ、作戦1時間前や」
教室の前で大将よろしく椅子に座る秀吉くん。
「今日の勝ち役は、井伊。負け役は…ん？てか言い出しっぺの信長おらんやん！」
カードフォンを見ていた秀吉くんが立ち上がる。
一体信長はどこに行ったんだろう。
まさか、あのまま音楽ホールで寝てないよね？
黒田くんもいないし、二人で何かしているのだろうか。
みやちゃんと二人でやるの心細いから早く帰ってきて…！
「ああもしもし？音楽ホールの視察チームどうぞっ！信長そっちおる？」
いつにも増してテンション高めな秀吉くんが、電話をかけ始めた。
そこに、旗印を出しに行ってくれていた酒井くんと榊原くんが談笑しながら戻ってくる。
『酒井くん、榊原くん、ありがとう』
「旗印提出できました？」
「ああそれなら竹中に任せた」
「あいつがやっとくって言うからさ」
「『えっ？』」
周りに無関心そうな竹中くんが？
何か企んでるんじゃ…
「あ？どゆこと？」
電話をしていた秀吉くんが、不思議そうな声を上げた。
『どうかしたの？』
手招きする秀吉くんに近づく。
「中に入れんて」
音楽ホールに異変が起きているらしい。
みやちゃんが秀吉くんのカードフォンを奪い取って、自分の耳に当てた。
「何かあったんですか？」
『誰と電話してたの？』
「本多や」
「えっ！？」
と、チャイムが鳴り響く。
《旗印が出ました。今から10分以内に、音楽ホールの中で相手を倒す、という旗が、計5本》
黒板に映し出された旗印。
勝ち役のみんなが書いた文字の上から、赤い文字で勝ち役と負け役の名前を入れ替えられていた。
「10分以内…」
「この表とちゃうやん！どういうこと！？」
徳川派のみんなが結託して行動に移ったらしい。
酒井くんたちは竹中くんが徳川派だって知らないから、いいように騙されたんだ。
教室に上杉くんが駆け込んできた。
「やられました。裏切り者たちは、勝ち役を全員ホールに入れないつもりです！」
《なお、時間内に音楽ホールに入れない者は、逃亡と見做し、全員、負けとします》
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 613人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美優(プロフ) - Ａ？さん» コメントありがとうございます！前田くんと絡めるように頑張ります！ (2022年8月26日 10時) (
レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
Ａ？ - 凄く面白いです前田との絡みが欲しいです (2022年8月25日 15時) (レス) @page35 id: 463b37ca19 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - いつも楽しく拝読しております！秀吉ともっと絡ませてほしいです！！！ (2022年8月25日 14時) (レス) @page35 id: a89c13a921 (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - すずさん» ありがとうございます！ (2022年8月23日 19時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 応援してます!! (2022年8月19日 18時) (レス) @page13 id: c8c40d0f19 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆう | 作成日時：2022年8月10日 0時
