その伍 ページ21
「やっぱりお前だったのか」
黒田くんは、井伊くんが徳川くん側だったことに気づいていたんだろうか。
「そもそも龍造寺は犯人じゃない。あいつにお前を一撃で仕留めることなどできない。他の連中も作戦の真っ最中、誰も手を出せなかったはず。だが、ただ一人、例外がいた」
「被害者を装った、俺自身ってことか。はっはっはっ！さすがだな、黒田。てめえがこっち側っていうのは心強えや」
井伊くんが階段を上ってきたので、バレないように少し身を引いた。
「ぶっ潰そうぜ、特進」
「そうだ、少し歩かないか？他の裏切り者たちも、俺を探してるはずだ」
「仲間は多いに越したことはねぇ」
黒田くんが気を利かせてくれたらしい。
井伊くんもすぐに了承して、二人は階段を降りていった。
『はあぁぁ』
少し緊張が解けて、ため息が出る。
「あのまま残りの裏切り者を炙り出すおつもりですね」
みやちゃんの言葉に、信長が小さく頷いた。
井伊くんと同じような人が、後何人いるんだろう。
その人たちがもしみんなで結託したら、信長は、私たちは徳川くんに勝てる？
信長を信じていないわけではないけど、ただただ、心配になった。
信長は黙って立ち上がり、階段を上っていく。
みやちゃんと顔を見合わせて信長についていくと、屋上に出た。
柵にもたれて、ぬるい風を浴びる。
「PBB作戦、再開させましょう。クラスのみんなを束ねることができれば、きっと」
「束ねるか…」
信長は何か考え込んでいるようだった。
教室に戻ると、貼り紙はまだ電子黒板に貼られたままだった。
黒田くんの話をしている人はもういないけど、教室内の空気はピリピリしている。
井伊くんと裏切り者を探しに行った黒田くんが、情報をくれた。
今川くんと井伊くんの他に、竹中くんと真田くんも徳川くん側についたのだとか。
史実の真田幸村は、徳川家康を追い詰めた名将。
やはり、クローンだからといって史実と同じようになるわけではないらしい。
と、黒田くんが教室に入ってきた。
貼り紙を見てため息をつく黒田くん。
「黒田、どういうことなのか説明してもらえないか」
「ここまであからさまな情報が出回ってるんだ。白黒はっきりさせておこう。君が裏切り者かどうか」
「そうだな、正直に言おう。俺は…裏切り者だ」
何を考えているんだろう。
「皆を欺いていた」
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美優(プロフ) - Ａ？さん» コメントありがとうございます！前田くんと絡めるように頑張ります！ (2022年8月26日 10時) (
レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
Ａ？ - 凄く面白いです前田との絡みが欲しいです (2022年8月25日 15時) (レス) @page35 id: 463b37ca19 (このIDを非表示/違反報告)
涼杜兄妹(プロフ) - いつも楽しく拝読しております！秀吉ともっと絡ませてほしいです！！！ (2022年8月25日 14時) (レス) @page35 id: a89c13a921 (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - すずさん» ありがとうございます！ (2022年8月23日 19時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 応援してます!! (2022年8月19日 18時) (レス) @page13 id: c8c40d0f19 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう | 作成日時：2022年8月10日 0時
