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「…おう」
「普段、図書室に足を運ばない信長くんが、なぜここに…？」
本当によく見てるのね、明智くんは。
確かに信長が教室を抜け出すときは、大抵屋上だ。
「たまたまですか？それとも、僕がいることを知っていた」
「え？」
「たまたまだ！」
探るような明智くんにそう断言した信長は、背の低い棚にもたれかかる。
「そうですか。では、改めて、信長くん、お願いです。僕に、力を貸してくれませんか？」
「…明智。お前はなぜ勝ちたい。勝利の先に何を望む」
「家康くんを止めたいんです。家康くんの挑戦が失敗すれば、旗印戦から脱落する！そうすれば、学校に平和が訪れます！僕は、それを切に願っています。そのためには、信長くんが必要です。だからどうか、僕に、…あいや、反家康同盟に、力を貸してください！」
明智くんがそこまで考えているとは思わなかった。
必死の明智くんに、私もみやちゃんも息を呑んだ。
「断る」
「えー？じゃあなぜここへ」
信長は巾着から干し柿を取り出して明智くんに渡した。
「ただの陣中見舞いだ…まあ、だが、あれだ。力は貸さないが、友人としてなら、ここにいてもいいがな」
『信長…』
「信長くん」
信長がそんなことを言うのは珍しいと思った。
明智くんに気を許したのだろう。
「それで充分です。友達として、いてください」
明智くんが信長に歩み寄って、手を差し出した。
「まあ、貴様がそこまで言うなら」
嬉しそうにその手を握る信長。
「ありがとう」
なんだか歴史的な瞬間を目撃した気分だった。
何せ、過去の明智光秀と織田信長の関係は、決していい終わり方ではなかったから。
─明智光秀。
本能寺の変で織田信長を裏切り、討ち取った人物として有名な武将。
史実を知っているみやちゃんは、心配そうに2人を見つめていた。
明智くんはしばらく図書室に隠れるつもりらしく、信長とみやちゃん、私もそのまま図書室で待機することになった。
入り口の前でずっと警戒しているみやちゃんに比べ、全くいつも通り地球儀を回している信長。
私も、明智くんの無事がわかっているうちは、と信長と一緒に地球儀を見ていた。
(明智くーん、来ましたー)
(はーい)
みやちゃんが小走りで戻ってきて、明智くんと囁き声でやりとりをする。
みやちゃんの報告を受けて、私も緊張してきた。
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美優(プロフ) - 紗奈さん» コメントありがとうございます！私も嬉しいです！！ (2022年8月15日 19時) (
レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
紗奈 - 私このドラマシリーズ好きなので嬉しいです！ (2022年8月15日 18時) (レス) @page6 id: 2c45cd1730 (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - すずやまさん» そのお言葉が一番嬉しいです！ありがとうございます🥰 (2022年8月9日 2時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
すずやま(プロフ) - 更新楽しみに待ってました！☺️これからも作成頑張ってください！ (2022年8月8日 18時) (レス) @page37 id: 50da26ed0a (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - 寧々さん» わざわざありがとうございます！全然迷惑じゃないですよー！！ (2022年8月5日 16時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう | 作成日時：2022年7月25日 9時
