その弐 ページ18
衝撃的な入学式(結局ちゃんとした式はなかった)から3ヶ月。
季節はすっかり夏になった。
武田くんの一件の後、旗印戦に進展はなく、武田くんの205ポイントだけがトップに立っている。
『おはよう信長！』
「おぉ、今日は早いな」
『今日早起きできたの！』
いつもは家まで迎えに来てくれる信長に呼ばれるまで準備に追われている私だけど、今日は早く終わったから家の前で信長を待ち伏せしてやった。
早起きできたし、ちゃんと見られたテレビの星座占いも一位だったし、今日はいいことがありそうだ。
『…今日に限って旗印か』
ホワイトボードに映し出されるのは、気持ちよさそうにドラムを叩く青髪上裸の生徒。
ホールに集まった生徒も、ノリノリで彼を煽っている。
「お前ら行けるかー！！本気で来いよお前ら！！ぶっ飛んで来い！！後ろ！！前！！本気で来い！！！！！」
緑川裕宇さんというらしいその人が、上杉くんを1時間以内にビートで倒すという旗印を出したらしい。
当の上杉くんは、何も聴こえていないかのように、彼の隣で目を閉じて自分の世界に入っていた。
「ビートで倒す！？一体、どういうことでございましょう？」
「これも旗印戦」
「戦いの手段は別に、喧嘩だけではない」
「はあ…」
教室の最前列でビートに盛り上がる井伊くんたちを横目に、秀吉くんと黒田くんに挟まれて解説を受けるみやちゃんは、不思議そうな顔をしている。
本当になんでもありなんだな旗印戦は。
自由すぎて私でも得意分野だったら何ポイントか貰える気がしてきた。
参加しないけど。
「ただ今の採点を、音楽教師の滝山連之助先生、お願いします」
滝山先生が、タブレットに点数を打ち込む。
「採点は…100点！」
「よっしゃー！！！やったぜいちごちゃーん！」
『いちごちゃん？』
「100点！？」
私とみやちゃんの声が被った。
「「「「はいー、上杉終わったー！」」」」
「これではどう頑張ってもひ…」
「引き分け！」
いつも通り、黒田くんの解説を無意識に横取りした秀吉くん。
黒田くんは悔しそうに机を叩いた。
「まぁー勝てんわなこりゃ」
「上杉くーん！えへぇーーーん」
『明智くん…まだ勝負は終わってないよ』
気弱すぎる明智くんが泣いてしまったのでハンカチを貸してあげた。
「あ、ありがとう…」
「明智、泣くな」
「…誰？」
そこに、いかにも天才音楽家ですといった出立ちの伊達くんが入ってきた。
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美優(プロフ) - 紗奈さん» コメントありがとうございます！私も嬉しいです！！ (2022年8月15日 19時) (
レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
紗奈 - 私このドラマシリーズ好きなので嬉しいです！ (2022年8月15日 18時) (レス) @page6 id: 2c45cd1730 (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - すずやまさん» そのお言葉が一番嬉しいです！ありがとうございます🥰 (2022年8月9日 2時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
すずやま(プロフ) - 更新楽しみに待ってました！☺️これからも作成頑張ってください！ (2022年8月8日 18時) (レス) @page37 id: 50da26ed0a (このIDを非表示/違反報告)
美優(プロフ) - 寧々さん» わざわざありがとうございます！全然迷惑じゃないですよー！！ (2022年8月5日 16時) (レス) id: c086026ca6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆう | 作成日時：2022年7月25日 9時
