2人の悪魔と過ごす日々 (ページ47)

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新年はあなたと共に　【マルフィ】ページ47

12月31日の夜、心地よい音楽に少し手の込んだおしゃれな料理を堪能し普段は点けることの少ない間接照明がノアとマルフィを優しく照らす。
食事が終わり、2人で仲良く片付けもしてようやく一息つけるとソファーに隣同士で座る。

「どれも、すばらしく美味しかった。ノアは料理が上手なんだね。」
『お褒めにあずかり光栄だわ。ルイほどではないけどね。口に合ってよかった。』

そう言って少し照れ臭そうに笑うノアを見て、マルフィは彼女の頭を引き寄せ、自身の肩に凭れ駆けさせる。
ソファ―から見える外は新年を迎えるため今か今かとカウントダウンが始まろうとしており、人間たちのざわめきが聞こえる。

「もうすぐ新年…今年もいろいろあったね。」
『そうね。今までで一番忙しかったかも…』

マルフィにもたれたままノアは今年一年を振り返る。
彼ら手下達の世話を仰せつかったときはどうなるかと思ったが、皆と仲良くなれこうして彼とは恋人同士になれた。
素晴らしい一年だったなと彼女は満足げに微笑んだ。

「その忙しかった理由の大半が私たちのリクルーティングな気がするんだが？」
『あら、よくお分かりで。』
「…そんな悪いことを言う口はこれかい？」

くすくすと笑うノアに対してマルフィは意地悪く笑うと彼女の顎を掬い唇を塞ぎ短いリップ音と共に離れた。

『でも、一番楽しい一年だったわ。』

唇が離れた瞬間、ノアはマルフィの首に手をまわし、今度は自分から唇を重ねた。
その瞬間壁にかかっていた時計から0時の鐘が鳴り、外からは新年を祝う花火が上がっていた。

「そうやっていつも私を誘惑する。本当にノアは悪い子だ。」
『ヴィランズですから。それに良い子よりも悪い子の方が魅力的でしょ？』
「あぁ。君はいつでも魅力的だよ。」

そう言ってマルフィはノアを抱きかかえ隣の部屋の寝室へと足を運ぶ。
そして、一人で寝るには大きすぎるベッドにノアを下す。

『あら、世間はオールナイトするのにもう寝ちゃうの？』
「世間と違う夜の明かし方もあるだろう？」

そうは言ってマルフィはノアに覆いかぶさり、もう少しでキスできるところまで顔を寄せた。

『そうね。それも悪い子らしくていいかもしれないね。』
「おやおや、ノアはイケナイことをご所望のようだ。」
『お互い様でしょ。HAPPY NEW YEAR。マルフィ』
「HAPPY NEW YEAR。ノア」

そう2人は微笑むと影は1つに重なった。