2人の悪魔と過ごす日々 (ページ44)

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化かし合い　【エイトフット】ページ44

｢ノア。悪いがこれ、ジョーに渡してきてくれ。あとミスターが呼んでるって行ってきてくれ｣

ルイが申し訳なさそうに手紙と伝言をノアに頼む。
彼はと言うと、どうやら女性軍の散歩に付き合わされるらしく、仕方なしにノアに言った様だった。
女性陣を敵から助けてから、ルイ争奪戦が密かに起っているようだ。

それに手を振りエイトフットの部屋につき、ノックをするが返事がない。
居留守でも使ってるのかと思い、部屋主の許可ないまま扉を開けるとソファーでけだるげに横たわるエイトフットがいた。

「勝手に入ってくるなよ」
『居留守使ってる人が悪いだけでしょ。･･･これジョー宛に』
「おー。」

手紙を受け取り、そのままの体勢で目を通し読み終わると手紙を側のテーブルに置いた。

『あと、ミスターが呼んでるってさ』
「･･･寝てたってことにしといてくれ。」
『早く行かないと雷が落ちるわよ？』

ノアがそう言うと、エイトフットは何か思い当たることがあるらしく眉をひそめ再びソファーに身体を沈め、その様子を見てノアはため息をついた。何せルイからの伝言なためエイトフットがミスターのところに行かなければ自分が怒られるのだ。
そう思いノアは彼の両手を引っ張り立ち上がらせようとした。
しかし立ち上がらせることは出来たのだが、背の低いノアが背の高いエイトフットを支えきれるはずもなく、その反動と共に後ろに倒れてしまった。

『無駄に背がでかい･･･』
「お褒めの言葉どうも～」

ノアの上でにやりと悪い笑みを浮かべるエイトフットに苛立つ・

『･･･良いからどいて』
「お前さ･･･この体勢に少しは危機感持てよ。」

そう言ってエイトフットはグッっと彼女の顎を上に向けるが、ノアは早くどけと言わんばかりに彼を睨む。

「さすがはヴィランズ。こんなんじゃ、動じねぇか」
『当然。焦らすなら･･･』

そう言うとノアはにやりと笑いエイトフット首に腕を回し、自らの唇を彼の唇に押しつける。
いかがわしい水音が部屋に響き渡る。

「･･･はっ」
『っ。これくらいしないとね』

ベッと舌を出しながら艶っぽく笑うノアにエイトフットは顔を赤くして頭をガシガシと掻いて離れる。

『残念だったね』

そう言って部屋から出たノアを横目に彼は真っ赤な顔で己の唇に触れる。

「くそッ･･･やられた･･･」

静かな部屋でエイトフットはぼそりと呟いた。