2人の悪魔と過ごす日々 (ページ42)

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駆け引き　【ジャックハート】ページ42

普段はバタバタと仕事に追われているノアだったが久しぶりに一日休みをもぎ取り、ウキウキとしていた。休みのためにルイと勝負したかいがあり、彼は今大仕事に追われているが、自分の休みのためだ頑張ってくれと発狂寸前の従兄にエールを送る。

さぁ、何をしようかと自室に戻ったノアは考える。
一日ねて過ごすのも惜しいが、別に出かける予定も、行きたい場所もない…。
そんなノアが思いついたのはベッドに引きこもり、溜まっている本を読むことだった。

本の塔が床に出来上がったころ、読んでいた本をぱたんと閉じグッとストレッチをする。
何時間も同じ体制で呼んでいたため腕は痺れ、背骨はポキッといい音が鳴った。

首をパキパキと鳴らしていると、不意に扉をノックする音がして、主の返事も聞かないまま扉が開いた。

『私まだ入っていいとか言ってないんだけど？ジャックハート』
「いるってわかってたからね。そんなこと気にする子じゃないだろ？」

全く悪びれる様子もないジャックハートにため息をついたノアはのそのそとベッドから這い出た。

『なんか用？』
「一日休みなんでしょ？僕とゲームしない？」

にやりと笑ってジャックハートはどこからともなくトランプを取り出した。
拒否権ないじゃないかと不服に思うノアだったが大方読みたい本も読み終わって、次何しようかと考えていたところだったので、了承した。

『…なにするの？』
「なんでもいいよ！神経衰弱にポーカー、ダウトでも七並べでもブラックジャックとかもできるよ！」

嬉しそうにトランプを組むジャックハートをノアは大したものだなと思いながら眺める。

「せっかくだから何か賭けようか。」
『賭け？』
「そう！何かを賭けてのゲームのほうが盛り上がるだろう？」
『ジャックがお金に興味あるなんて知らなかったわ。いくら賭けるの？』

ニッと笑うジャックハートにノアは肩をすぼめて意外だというようにつぶやいた。
というのも、女性陣や、ダルメシアなどはよくパークの散歩がてらに食べ物を買ったり、ほかのメンズもマスターのグッズを買ったり、スキンケアの物を買ったりと使っているのだがジャックハートだけはそのような様子を見たことなかったのだ。

「いや？僕はお金には興味ないよ。だから賭けるのはお金じゃない。」
『？じゃあ何を賭けるの？』

意味が分からないという風にノアは眉をひそめた。