2人の悪魔と過ごす日々 (ページ37)

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休憩　【ジャックハート】ページ37

『甘い物が食べたい。』

ググッと背中を伸ばせば、ずっと同じ体制だった背骨はポキポキといい音がした。
肩をまわしながらノアが机を見ると、整理しなければならない書類は大方片付いていて何とも言えない達成感がノアの包む。

ひと眠りでもしようと、ソファーに横になったときタイミング悪くドアを叩く音がしたのだが、起きるのも億劫だったノアはスッと手を動かし、魔力で扉を開けた。

大方ルイだろうと思っていたのだがその予想は大きに外れた。

「やぁ！」

ソファーに寝転がっているノアの目の前にはジャックハートが現れたのだった。

『びっくりした。ジャックハートだったのね。どうしたの？』
「ノアが疲れている頃かと思って、ティータイムにお誘いしようと思ってね。」

そう言って手を差し出す。
その手を取る前に、ふと後ろの書類に目をやるがほとんど終わらしたしまぁいいかと思い、出された手に自分の手を重ねた。

手を握った瞬間、周りがぐるっと回転する感覚にノアは目を閉じる。
ふと目を開ければ、遠くに赤い大きな城が見え周りにはバラがたくさんあった。

『ワンダーランド？』
「そう！ここなら邪魔も来ないから、ゆっくり休めると思って！」

そういいながらジャックハートは自らの帽子からポットやカップやらいろんなものが出てきて、指をパチンと鳴らせばそこにはテーブルやお菓子など色々出てきて、あっという間にお茶会の準備ができた。

『相変わらずジャックの魔法は面白いね。まさにエンターテイナー』
「ふふ。お褒めにあずかり光栄です。」

照れたように微笑み、紅茶を注ぎノアの目の前におく。

「どうぞ♪ワンダーランド産のお茶だよ。」
『ありがとう』

入れてもらった紅茶を口に含めば、甘く爽やかな味が口の中に広がった。

『あ、これおいしい。』
「本当？よかった」

嬉しそうにジャックハートもティーカップに口をつける。
そうしてつかの間のティータイムを楽しんだ。

『誘ってくれてありがとう。いい気分転換になったよ』
「また、ティータイム付き合ってね。」
『喜んで』

そして部屋までノアを送りとどけジャックハートはノアの手を取り、その甲に口づけを落とす。

「ゆっくり休んでね。」

そういうとジャックハートはウィンクをして去っていった。

『きざだなぁ』

残されたノアは顔を赤くしながら口づけされた手の甲に自らの唇を当てた。